「母の病の謎、ボンヤリした爆弾を抱えた気分」NO老いるLIFE~母と娘のほんわか口福日誌~第18話
漫画家で栄養士の資格をもつうえだのぶさんは、慢性膵炎を抱える母とふたり暮らし。膵臓を労わる脂質控えめの食事を心がけるなど対処療法をして過ごしてきたが、膵炎の原因が「石」と判明。初めての手術は無事に終わり、退院後の生活がはじまったが、どうもモヤモヤとしているようで――。
母の病気「医師が言うには…」
母が「原因不明の慢性膵炎」と初めて診断されてから2年。再入院で見つかったのは膵管に詰まった「石」でした。
緊急手術を終え無事退院した母ですが、今回の手術は応急処置。本番の「石を取る手術」を含めあと2回も手術を受けねばならず、終わった感はありません。
そして不安なのは「石を取ったら終わりなの?」ということ。そもそもなぜ石ができたのかもわからないしこれからどうなるのかも聞けてない。
いや、母の病気が何なのか、具体的なことはまったく聞けてないんです。薬はこれまでと同じだし、先生から特別な指示もない…。なぜ?
もちろんネットではガンガン検索しました。でも「膵石」で調べてもアルコール以外はほとんどが「原因不明」なんです(母はお酒を飲みません)。
胆石なら「脂肪」、腎臓結石なら「シュウ酸」とか具体的なものが出てくるのに。そして目につくのは「膵臓がん」の文字。。。
母の退院から1か月後。担当の先生の診察日。やっと話が聞けました。
母の病気の状況
*病名は「慢性膵炎」
*膵石ができる原因は不明
*膵石に食べ物は影響しない
*母の膵臓には小さな石がたくさんある
*いつまた膵管に詰まるかはわからない
今後の予防法や対処法
*これまでと同じ薬を服用
*予防方法はないが、膵臓を健康に保つための食生活は必要
*脂質制限の必要はないが摂り過ぎは厳禁。現状の1食10gくらいを目安に
「膵炎が重症化すると膵液(インスリンなど)が作られなくなる危険性がありますが、お母さんの場合、突然重症化して死んでしまうというような恐ろしい病気ではありません。
現時点で膵臓がんの兆候はありませんが、炎症を繰り返せば、がん化する可能性は高くなるといえますね」
「つまり、、、これまで通りの生活をして、石が詰まったら取る、て感じですか?」
「そうですね」
ええと、、、すぐに死んでしまうような病気ではないけど完治はしなくて、普通に生活していいけど石はこれからも詰まる可能性があって、そうなったら手術が必要で、がんになる可能性もあって、でも具体的な予防策はなくて、、、
先生は、母の膵臓が良好なこと、過去20年で自分の患者さんに重症のケースがないことを話してくれ「元気に長生きしましょう!」と言ってくれたけど、なんだかボンヤリした爆弾を抱えてしまった気持ちになりました(自分の身体じゃないんですけど)。
正直、この時点ではどう受け止めていいかわかりませんでした。
それは母も同じで、、、というか母は先生の話をあまり聞いてなくて、お互い納得できるまでにはもう少し時間が必要で、ここからまた母娘ですったもんだすることになります、、、はい。
NO老いるMemo「母の手術」
母が今回受けた手術は、石が詰まってしまった膵管の代わりに人工の管(ステント)を入れて、膵液がきちんと流れるようにするものでした。
これで炎症が起きなくなるので「次の手術までは何を食べてもいいですよ」と、先生が言っていたんです。このステントをずっと入れておければいいのにと思いましたが、まだそういうものはないみたいです。誰か開発してくれないかなあ。。。
――次回は3月27日公開予定です。
絵と文
漫画家・うえだのぶ
イラストレーター・漫画家。57才。山口県で81才の母とふたり暮らし。40代で地元の短大に入学し、栄養士の資格を取得。地元山口県を拠点に、漫画を利用した食育や時短調理などの栄養講座の講師なども務めている。
ホームページ:uenobu.com アメブロ:https://ameblo.jp/abareinupoti/ インスタ: https://www.instagram.com/nobuueda/?hl=ja
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