冬の終わりから春先に注意すべき3つの舞うもの「花粉、PM2.5、黄砂」正しい掃除法を家事アドバイザーが指南
冬が終わり春の訪れとともに、舞い始めるのが「花粉、花粉、PM2.5、黄砂」。シニア世代の暮らす家では、これら3つの舞うものをしっかり掃除して、健康生活を維持したいもの。家事アドバイザーの矢野きくのさんが、春の掃除で注意すべきポイントと対処法を教えてもらいました。
この記事を執筆した専門家
家事・節約アドバイザー・矢野きくのさん
家事の効率化、家庭の省エネを中心にテレビ・講演・連載などで活動。NHK『ごごナマ』準レギュラー他テレビ出演多数。新聞での連載のほか自動車メーカー、家電メーカーなどの企業サイトでコラムの執筆経験も。近年は中高年層の家事アドバイスや家庭でできるSDGsについての講演、SNSでの情報発信でも活動している。著書『シンプルライフの節約リスト』(講談社)、『「節電女子」の野菜レシピ!』(アスコム)、『50代からの自宅の片づけ 実家の片づけ』(扶桑社ムック) など。https://yanokikuno.jp/
春の掃除で心地よい環境づくり
暖冬となったこの冬、2月20日に首都圏では5月並の暖かさとなり、群馬県では夏日を記録した地域もありました。暖冬のせいで春の訪れが早く、花粉症の人は早くから症状が出ている人もいるようです。
本来春は気持ちがいい季節ですが、実は「掃除」という面では手間がかかる季節でもあるのです。とくに若い頃に比べると免疫力が低下してくるシニア世代のかたにとっては、日々暮らしている環境は重要になってきます。
春の掃除で注意すべき「3つの舞うもの」
注意したいのは「3つの舞うもの」。まずは冒頭でも触れた花粉です。花粉は種類によって時期が違ってきますが、2月から5月くらいまでが量が多いと言われています。
次にPM2.5です。PM2.5は一年を通して大気中に存在しているものですが、偏西風に乗って西からやってくるので毎年3月から5月に濃度が上がる傾向があります。
3つ目としては黄砂です。日本国内でも地域によっては車やベランダに文字が書けるほどに黄砂が降り積もる地域もあるでしょう。この黄砂も量が多いのが3月から5月になります。
花粉、PM2.5、黄砂、この3つは近年では気象予報でもその日の状況をアナウンスしてくれるので、量が多いとされている日はできる限り外出は避け、窓も閉めておくほうがよいでしょう。
その分、比較的量が少ない日などに積極的に掃除をしてベランダや玄関などに蓄積しないようにしておくことが大切です。
室内の掃除は朝一番に
花粉など空気中の浮遊物は、数時間かけて空気中から床の上に落ちてきます。そのため、人の動きが長時間ない夜にゆっくりと落ちてきているので朝一番は床の上に溜まっている状態になります。
少しでも人が動くと舞い上がってしまうので、家族がいる場合は家族が起きてくる前に掃除をするのがポイントです。
掃除をするときは、雑巾がけかフローリングワイパー(ペーパーモップ)がおすすめです。掃除機だと排気でせっかく床の上に溜まったものが舞い上がってしまいます。同様にほうきでも掃くことで舞い上げてしまうので、せっかくの掃除が無駄になってしまいます。
濡らした雑巾で拭いていくのは掃除効果としては良いですが、シニア世代のかたはフローリングワイパーのほうが態勢を変えずに掃除ができるのでラクではないでしょうか。
その際、ペーパーはドライタイプではなくウェットタイプのものがおすすめです。スーパーやドラッグストア、最近では100円ショップでも購入できます。ウェットタイプのペーパーで静かに部屋の端から掃除していくようにすると、床に落ちてきた浮遊物を吸着させて掃除することができます。
ベランダや玄関掃除は水分が重要
室内と同様にベランダや玄関まわりなども落ちてきた花粉や黄砂が溜まっています。ほうきで掃くのであれば、昔ながらの方法ですが使い終わった茶殻を撒いたり、ちぎって濡らした新聞紙を撒いたりして、吸着させながら掃くと、舞い上がることなく掃除することができます。
場合によってはベランダや玄関もウェットタイプのシートを使いフローリングワイパーで掃除すると良いでしょう。
網戸やサッシの汚れもこまめに掃除を
前述のように花粉や黄砂などの量が多い日は窓を閉めておくようにしますが、それでも網戸や窓枠には付着したり溜まったりしています。付着した状態をそのままにしておくと、窓を開けて風通しをよくしている日に室内に入ってきてしまうので、できればこまめに掃除しておくことが大切です。
網戸はさほど汚れていないのであれば、濡らして絞った雑巾で拭く程度で大丈夫です。高い位置で手が届かないようなところは、薄手の雑巾を使いローリングワイパーにはめこむとラクに掃除することができます。
花粉症がひどいかたは、ホームセンターに売っている網戸用のフィルターを利用するのもよいかもしれません。網戸の外側にテープで貼り付けるだけでホコリや花粉が入りづらくなります。
窓枠も汚れが固まっている等でない限りは、濡らして絞った雑巾で拭く程度で花粉などは取ることができます。
春は、花粉や黄砂など悩ましい季節ではありますが、掃除には心地いい季節です。ぜひともこまめに掃除をして、健康被害となるものは近づけないようにしていきましょう。
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