高齢者におすすめ「椅子ヨガ」1日15分で心と体を整え不調を改善!【動画あり】
運動をしながら同時に自身の内面と向き合うヨガは、体と精神の両方に健康効果があるとされ、いまや日本人の約770万人(ヨガジャーナル日本版調査(2017)より)が始めている。でも、「ちょっと難しそう」と二の足を踏んでいるあなたにおすすめなのが「椅子ヨガ」。難しいポーズも椅子を使えば難なくできて、ヨガの効果も得られると話題です。さっそく始めてみませんか?
高齢者におすすめ「椅子ヨガ」とは?
もとは、高齢者向けに考案された『椅子ヨガ』だが、「このところ、幅広い世代でニーズが増えている」と話すのは、考案者でヨガインストラクターの山田いずみさん。
「アクティブシニアの場合は、マットを使った通常のヨガもできますが、介護予防の段階にいるシニアには、床に座ること自体が難しい人も。そんなかたにもできる椅子ヨガは、マットなど専用の道具が必要なく、場所も選ばず、取り入れやすいので、シニアはもちろん、年齢問わず行う人が増えています」(山田さん・以下同)
通常のヨガに比べると満足度が低そうに思えるが、特に初心者にはうれしいメリットがあるという。
「椅子が支えになるためポーズがとりやすく、呼吸や自分の内面と向き合う『内観』もしやすいので、ヨガ独特の気持ちよさやストレスの低減が最初から感じられます。それがいちばんの特徴です」
椅子で行うとはいえ、ヨガ同様「ポーズ」「呼吸」「瞑想」がセットになっているので、眠る前に行うのがおすすめだ。
「ポーズは体の血流をよくし、呼吸は自律神経を整える作用がある(※2)ので、副交感神経が優位になって寝付きがよくなります。さらに、瞑想によってマインドフルネス(※3)な状態となり、心がリラックスするんです」
※2自律神経は体の動きを活発にする交感神経と、体を休める副交感神経の2つから成り立っている。※3あらゆる雑念を取り払って、集中する状態。
今回紹介する基本の椅子ヨガは5ポーズ15分。
「この中のワンポーズだけでは体がリラックスモードに切り替わらないので、ポーズとともに紹介している呼吸を続けながら、最低でも15分は体を動かしてほしい。そのための基本がこの15分ヨガです」
山田さんによる動画も見られるので、ぜひ今晩からチャレンジしてみよう。
※【動画】は本文の最後にあります。
椅子ヨガの基本「15分ヨガ」
まずは椅子ヨガの基本となる「15分ヨガ」にチャレンジ!
【START】基本の姿勢
●座面に硬さがある椅子を選び、体が沈み込むものは避ける。
●椅子の高さは足の裏がしっかりとついて、ひざの角度ができるだけ90度になるものを選ぶ。
●足と足の間は握りこぶし2つ分あける。
●背筋を伸ばし、手のひらを上向きにして、太ももの上に置く。
以上の準備ができたら目を閉じ、息をゆっくり吸って、ゆっくり吐く深呼吸を10回ほどしてから目を開け、ポーズに進もう。
1.手を上げるポーズ
【1】息を吸いながら両手を体の横に広げ、頭上までゆっくり上げて手のひらを合わせる。このとき同時に顔も上げ、目線は指先に向ける。 ※手を上げるのがつらい人は、上がるところまででOK。
【2】息を吐きながら、両手を体の横にゆっくり下ろす。
【3】おへそをのぞき込むように背中をしっかり丸め、両手を太ももに置く。【1】【2】【3】を繰り返し5回行う。
2.体を横に倒すポーズ
【1】基本の姿勢から足を大きく広げる。右手は太ももの上に置く。息を吸いながら左手を体の横から頭上まで上げる。
【2】手を上げたまま、息を吐きながら体を横に倒す。息を吐ききったら体をまっすぐに戻し、左手を横から下ろして【1】の姿勢に戻る。【1】【2】を左右各3回行う。
3.背骨をねじるポーズ
【1】基本の姿勢で座り、両ひざをくっつける。右手は太ももの上に、左手はまっすぐ前に伸ばして息を吸う。
【2】左手を指先まで一直線にしたまま前から後ろに移動させ、息を吐きながら後ろを振り返り、息を吐ききる。次に、息を吸いながら手と体を正面に戻す。このとき、手はまっすぐに伸ばしたまま行う。正面に戻ったら、息を吐きながら太ももに手を置く。【1】【2】を左右各3回行う。
4.胸を広げるポーズ
【1】基本の姿勢から、正面で両手のひらを上に向け、次に斜め下に下ろして息を吸いながらゆっくり横に広げていく。
【2】両手を後ろに伸ばし、横に広げながら胸まわりの筋肉も広げる。顔は斜め上を向く。
【3】息を吐きながら、広げた手を正面に戻し、背中を丸めて自分の体に手を巻きつける。ぎゅーっと抱きしめる感じで息を吐ききる。【1】【2】【3】を繰り返し5回行う。
5.骨盤のゆがみを取るポーズ
【2】息を吐きながらゆっくりゆっくり、筋肉を使って左足を床に下ろす。【1】【2】を左右各3回行う。
【GOAL】最後は瞑想と深呼吸
基本の姿勢に戻って目を閉じ、腹式呼吸を10回、瞑想を5分行う。ここでの腹式呼吸は吐く息がメインなので、吐く際にはお腹をぺたんこにする意識を。瞑想中は頭の中を空っぽにして呼吸に意識を向け、ほかのことは考えない。