中高年のための美髪メソッド14選「シャンプーは2本使い、すすぎ・ドライヤーは上から」
年齢を重ねてもいつまでも輝くような美髪をキープしたいもの。髪の専門家3名が毎日でも続けられる簡単なヘアケア術を教えてくれました。ほんの少しの工夫で、ツヤツヤの美髪を手にいれる14のメソッドをご紹介します!
美髪のためのはトリートメントよりシャンプーに投資
月に一度の美容室も重要だが、やはり気をつけたいのは、自宅での毎日のヘアケア。ドラッグストアの数百円のものから、サロン専売の1万円台のものまであるが、お金をかけるなら、【1】トリートメントよりもシャンプーに“投資”しよう。
美容室SELAh代表で『1日10秒で髪も人生もきらめきだす! ヘアケアの魔法』著者のりょうさんが話す。
「トリートメントはいわば“コーティング”なので、極端に言えば、何でもOK。それよりも、シャンプーの洗浄成分が重要です。安すぎるものや洗浄力が強すぎるものは、髪や頭皮への刺激が強く、カラーも落ちやすい。サロン専売のシャンプーなどは、洗浄成分が比較的優しいものが多いのでおすすめです。
正しいシャンプー選び「2本使いで”慣れ”を防ぐ」
ただ、1種類のシャンプーを使い続けていると、髪が成分に慣れる『ビルドアップ』という現象が起きます。【2】比較的高価なサロンのシャンプーと安価なドラッグストアのシャンプーを“2本持ち”して交互に使うことできれいな髪を保ちやすくなり、節約にもつながります」(りょうさん)
ただし、中には値段だけが高く、中身は粗悪なものも存在すると、あいこ皮フ科クリニック院長の柴亜伊子さんは言う。
「シャンプーは“高価=高品質”とは限りません。中には洗浄力の強すぎるものを、品質がいいように見せるためにわざと高価に売っている場合もある。値段やブランド名、SNSの評判だけでは選ばないようにしてください。
いちばんのおすすめは、【3】きちんと効果が実証されている本物の敏感肌用シャンプー。ドラッグストアにあるものよりは高価ですが、サロン専売品よりは安く、赤ちゃんやアトピーの子供でも使えるように検証実験されているので、髪や頭皮へのダメージはもっとも少ないと言えます」(柴さん・以下同)
シャンプー前にはブラッシングを
シャンプーの方法も見直そう。毎日の習慣だからこそ、少し気をつけるだけで大きな違いを実感できる。
まず、【4】シャンプーの前は髪をブラッシングしてから、髪と頭皮をシャワーでしっかりと濡らすこと。
「スタイリング剤などをつけていなければ、ほとんどの汚れはこの時点で落ちます。シャンプーを手に取ったら、そのまま髪や頭皮につけるのではなく、【5】手のひらか洗面器で泡立ててからのせること。洗うときは【6】爪を立てずに、指の腹で頭皮を軽く動かすようなイメージで優しくもみ洗いしてください」
シャンプーしながら【7】頭皮を軽くマッサージするのも効果的だ。毛髪診断士でヘアスタイリストのshucoさんはこう話す。
「頭皮のマッサージで血行をよくすることで、薄毛や頭皮のたるみによる髪のうねりの軽減につながります。頭皮を軽くもんでも1cm以上動かないようなら、頭皮が硬くこっています。一方、ぶよぶよしていたら、頭皮がむくんでいる可能性があります。シャンプー時や髪を乾かした後に、耳の上をほぐすとほうれい線対策に、襟足周辺をほぐすと小顔効果が期待できます」(shucoさん)
ただし、頭皮マッサージのやりすぎは逆効果だ。最近人気を集めているEMSマッサージブラシなどは、逆に頭皮を傷つける可能性がある。
「器具を使うと刺激が強すぎて、頭皮が伸びてかえって顔がたるむ原因になることも。流行のシャンプーブラシも、先がとがっているものは言うなれば“ハイヒールで踏まれているようなもの”。マッサージは、必ず手指で行ってください。頭皮を前後左右に軽く動かすだけで充分です」(柴さん)
すすぎは40度以下、首を伸ばして上から
すすぎのとき、お湯の温度が43℃以上だと活性酸素が発生して髪や頭皮が傷むので、【8】すすぎは40℃以下の「顔にかかっても熱すぎず、気持ちいいくらいの温度」にすること。
シャンプーのすすぎ残しは絶対にNGだ。
「すすぎ残しがあると頭皮の炎症やかゆみの原因になります。トリートメントは頭皮につかないように気をつけて、髪の表面が少ししっとりするくらいにすすぎましょう。頭皮が乾燥しやすい人は、髪を洗うのは1日おきや、2、3日に一度でも大丈夫です」(shucoさん)
若々しくいるためには、【9】シャンプー中も、すすぐときも、必ず上を向いて行うこと。下を向くと濡れた髪の重みで頭皮や顔がたるんだり、首にしわができる原因になる。
ドライヤーの風は上から
すすぎを終えたら、【10】ドライヤーをかける前に、髪をタオルではさむようにしてタオルドライすること。濡れた髪は非常に傷みやすいので、すぐに乾かそう。濡れたまま寝るのはもってのほかだ。
「ドライヤーをかけるときは、くせが気になる部分から乾かすのがおすすめです。キューティクルは上から下に向かってうろこのように連なっているので、その流れに逆らわないよう、【11】ドライヤーの風は上から当ててください。頭皮を軽くこすりながら風を当てると早く乾きやすく、根元がふんわりして、毛先のハネも抑えられます」(りょうさん)
【12】ドライヤーは風量が多く、温風が熱すぎないものを選ぶといい。髪は熱に弱いため、熱すぎる風を当てているとやけどのような状態になる。人によっては、古いドライヤーを買い替えるだけでも、髪質がよくなることもあるという。
無添加の椿オイルでケア、就寝時は摩擦に注意
パサつきやツヤのなさが気になるなら、【13】洗い流さないトリートメントをつけるのもひとつの手。乾燥した髪にはミルクタイプ、くせ毛にはオイルタイプが適している。
「洗い流さないトリートメントは、合成界面活性剤が使われているものも多く、長期的に使うと髪を傷めることも。ただし、古くから愛用されてきた無添加の椿油なら安心です。タオルドライ後、毛先を中心につけてから乾かしてください。椿油には紫外線のUV-Bを防ぐ効果もあるため、朝のスタイリング時にもおすすめできます」(柴さん)
しっかり乾かしても、眠っている間にも髪はダメージを受ける。髪は摩擦に弱く、寝返りのたびに枕などでこすれてしまうためだ。
「【14】枕カバーをシルク素材に変えたり、ナイトキャップをかぶったりするだけでも、摩擦を軽減できます」(shucoさん)
美髪をつくるルール【まとめ】
●お金をかけるなら、トリートメントよりもシャンプーを優先。
●サロン専売のシャンプーを使うなら、ドラッグストアのものと交互に使うことでビルドアップを防ぐ。
●できれば本物の敏感肌用シャンプーを使う。
●シャンプー前にブラッシングし、髪と頭皮を濡らすこと。シャンプーは手や洗面器で泡立ててから使う。
●シャンプー中は頭皮を軽く動かすイメージでもみ洗いし、髪の毛は泡で包むだけにする。
●洗うときも、すすぐときも、下を向かない。お湯の温度は40℃以下に。
●頭皮マッサージは器具を使わず手で行い、強くやりすぎないこと。
●絶対に髪が濡れたまま寝ない。必ずタオルドライを行った後、くせが気になるところからドライヤーをかける。頭皮を軽くこすりながら乾かす。
●ドライヤーは風量が多く、温風が熱すぎないものを選ぶ。
●シルクの枕カバーやナイトキャップで睡眠中の摩擦を軽減する。
※取材をもとに編集部作成
イラスト/カツヤマケイコ
※女性セブン2023年7月6日号
https://josei7.com/
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