50才からの「睡眠」の悩みに医師が回答「なかなか眠れない、夜中に目が覚めるのはなぜ?」
「睡眠負債」が心身にダメージを及ぼすといわれる昨今、“世界で最も寝ていない日本女性”(※)は大丈夫なのかと心配になるが…。しかし、「問題は睡眠時間ではありません!」と力強く言うのは、睡眠研究の第一人者である遠藤拓郎さん。健やかな眠りとは一体どんなものなのか、詳しく話を伺った。
(※)経済協力開発機構(OECD)の2021年版調査によると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、加盟33か国中最下位。さらに女性はそれより13分短かった。
50才からの睡眠の悩みQ&Aに医師が回答
■Q1 なぜ年を取ると睡眠時間が減るのでしょう?
A. 加齢により体力や食欲が落ちるのと同じで、“睡眠力”も落ちてくる。「睡眠も老化する」のです。その理由として、「眠りの浅さ」が考えられます。
■Q2 長く寝ても寝足りず、日中ボーッとします。
A. 中高年にとって7時間以上の睡眠は「寝すぎ」です。これからは、「眠る努力」より「起きる努力」を身につけましょう!
■Q3 5~6時間の睡眠では少なすぎますか?
A. 質のよい睡眠とは「長さ」ではなく「深さ」です。いたずらに睡眠時間を長くすれば心身が快適になるわけではありません。
■Q4 眠いはずなのに、いざ床に入ると目がさえて眠れなくなってしまいます。
A. 起きる時間や寝る時間がまちまちではないですか? また、休みの日は遅くまで寝ていませんか?
■Q5 “こまぎれ睡眠”で、夜中に何度も目が覚めてしまいます。
A. 中高年になれば「こまぎれ睡眠は当たり前」。誰もがそうなるのだからと割り切りましょう。
■Q6「質のよい睡眠」の判断基準は何ですか?
A. 3の法則―「30分以内に入眠できる」、「夜中に起きるのは3回未満」、「起床予定時間の30分以上前に目が覚めない」ことです。