高齢者の自転車 選び方のポイントからオススメ電動アシストまで徹底紹介
生活の足として再び自転車に乗ろうとしている高齢者に、オススメの自転車を紹介する。最近の自転車は、さまざまな工夫がこらせれ進化中。安心できる自転車選びの参考にして欲しい。
転倒を誘発しにくい自転車選びを!
骨密度も落ちている高齢者は骨折しやすく、しかも治りが遅い。場合によっては骨折をきっかけに寝たきりや要介護になることもある。いずれにせよ、高齢者にとって、転倒は非常にダメージが大きいため、転倒を誘発しにくい自転車選びこそが、鍵になってくる。
新たに購入する場合、必ず心掛けてほしいのは、見た目で判断せず、実際に自転車に乗ってみること。そうすると、フレームが高くて乗り降りしづらい、タイヤが大きすぎてバランスが取りにくいなどが体感できるはずだ。
なお、愛知県に本社があり、機能訓練型デイサービスの事業所も運営するサギサカは、介護予防の観点から、“電動アシストなし”の自転車に特化した開発を続けている。
「当社のデイサービス事業所で行っている足のつま先とかかとを上げ下げする転倒予防のリハビリ体操が、自転車のペダルを踏む動きに似ているのではないかという発想から、シニア向け自転車を開発しました。今年からアルミフレームを採用し、自転車本体を3.5㎏軽量化させることに成功しています」(サギサカ代表・匂坂慎祐さん)
どちらもフレームが低くてまたぎやすく、アルミ製車体は軽くて扱いやすい。また、足が上がりにくい人や、スカートでも乗り降りしやすいという共通点もある。
形の違いで乗り降りのしやすさがこんなに違う!
自転車を選ぶ時に、まずチェックしたいのが、前輪と後輪をつなぐフレームの形状だ。乗り降りのしやすさを重視し、できるだけ低床設計のタイプを選びたい。というのも、またいで乗ろうとした際に、フレームに足を引っ掛けて転倒する人がとても多いからだ。最近は足が引っかかりにくいV字型やU字型のほか、ステップ付きフレームも登場。買う前に試乗し、またぎやすさや安定感を必ずチェックしてほしい。
シニア向け自転車のおもな特徴
足が地面にきちんと着くよう、タイヤは大きすぎないものを。フレームは低い方が、足を高く上げなくてもまたいで乗りやすい。駐輪等を考慮し、軽い車体が扱いやすい。買い物などで利用するため、前かごや荷台部分に大きめのかごがあるとよい。BAAマーク付きだと、より安心。
軽量性とまたぎやすさを重視。重量15.2~16.2kgまで5タイプあり、20インチと22インチのタイヤを用意。フレームは高さ約26~27cmと低く、小柄な人でも扱いやすい。「アルミーユミニ」4万4064円~/ブリヂストンサイクル
介護の現場で生まれた低重心設計
介護予防の観点から開発されたシニア向け自転車。ペダルの重さを44%軽減、軽い力でこげて疲れにくさも実現。低床フレームと低重心設計で、走りに安定感が。タイヤサイズは20インチ。「cogelu(こげーる)neo」8万6184円/サギサカ
・低床ステップ
限界まで下げたフレームはステップ付き。ここに足を着いてまたぐことができるので、筋力が低下している人でもまたぎやすい。
・腰当て付きサドル
腰に支えがあることで安定感が増し、足の力を効率よくペダルに伝えられる。
・短いペダルクランク
ペダルの回転する半径が短く、こぎやすい。