「猫背の人は実年齢より6才老けて見える」調査結果 美しい姿勢を保つ方法を医師が指南
若く見える人のポイントは「姿勢」。人は猫背になると4~6才は老けて見えるという調査結果も。姿勢が悪いと老けて見えるだけでなく、下腹が出るなど体形も崩れがちになる。美しい姿勢を保つためのエクササイズをスポーツ整形外科医の中里伸也さんに聞いた。
猫背は実年齢よりも老けて見える
「いくつになっても若々しく見える人の特徴として姿勢のよさが挙げられる」
と言うのは、スポーツ整形外科医の中里伸也さんだ。
「背中が丸くなって猫背になると“年を取ったな”という印象を持たれます。それは背中の部分の胸椎(きょうつい)が丸くなっているから。高齢者の背中が丸まっているのは、加齢に伴う筋力の衰えや柔軟性の低下からです」(中里さん・以下同)
しかし、最近は若い世代でも猫背が深刻になっている。
「スマホの見すぎによる、巻き肩が増えています。スマホを見るときに、肩が体よりも前に出てしまい、そのまま筋肉がこわばってしまうことも要因に挙げられています」
エステティックサロン『ソシエ・ワールド』が2013年に20~50代の女性600人を対象に行った調査では、猫背の人は、実年齢よりも4~6才年を取って見え、その多くがスマホを長時間利用していることが明らかになっている。
「背中が丸まり、肩が前に出てしまうと、胸郭(きょうかく)が狭まります。胸郭のあたりには心臓や肺などがあるので呼吸が浅くなり、血流が悪くなるため、だるさや肩こりなどの弊害が出て、動くのがおっくうになります。そうなると、体を動かすのが嫌になり、太りやすい体質に。
また、猫背になると、お腹の部分も丸まってしまい、下腹がポッコリと出てしまう原因にもなります。まずは姿勢を正し、すっきりとした若々しい体に戻すことが大事です」
中里さんおすすめエクササイズ
中里さんがすすめるのは下記で紹介するエクササイズだ。
「スマホを見終わったら、胸を開くことを意識しましょう。胸を開くことで、肩甲骨まわりの筋肉が鍛えられ、猫背を防ぐことができます。また、台所で洗い物をするときも胸を開くことを意識しながら行うといいでしょう」
猫背を防ぐエクササイズのやり方
【1】椅子に深く腰かけ、胸を開いて背筋を伸ばし、顔の前で両方の手の甲を合わせる。
【2】親指が前にくるように手を回しながら、合わせた両手を外側に向けてゆっくりと開く。このとき、肩甲骨を寄せ、胸の部分が前に出ているのを意識する。
【3】【2】から両手を上に引っ張られるようにゆっくり上げる。
【4】ゆっくりと【2】の体勢に戻る。このときも、胸を前に大きく出し、肩甲骨を寄せることを意識する。【1】~【4】の動きを15~20回行う。
そのほか、スクワットも効果的だという。
「両ひざをつま先よりも前に出さないようにしてお尻を突き出す。これを意識して15〜20回、気づいたときに行ってみてください。スマホを見るときは、目線の高さにスマホを持っていき、前かがみにならないように気をつけてください」
椅子に座る時の姿勢も注意
また、椅子に座るときの姿勢にも気をつけたい。
「椅子は、足の裏がしっかり床につく高さに。そして、深く腰かけ、ひざを直角に曲げている状態で骨盤がしっかりと立っているようなイメージで座りましょう」
これらを意識して日々実践すれば、姿勢は改善できる。
「筋力は高齢になっても鍛えれば向上します。あきらめないで、適度な運動でいつまでも若く動ける体を手に入れましょう」
老化は待ってくれない。だからこそ、一日でも早く食い止める行動を起こそう。
姿勢から若くなるための5か条
●常に背中を伸ばして肩甲骨を寄せる意識を
●スマホは目線と同じ高さで見る
●食器洗いのときは胸を開いた姿勢を意識する
●椅子に深く腰かけ、骨盤が「立つ」イメージで座る
●お尻を突き出してスクワットをする
教えてくれた人
中里伸也さん/Nクリニック院長。日本体育協会公認スポーツドクター。プロバスケットボールチーム『大阪エヴェッサ』チームドクターを務める。
取材・文/廉屋友美乃 写真/本誌写真部
※女性セブン2022年7月28日号
https://josei7.com/
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