「ほおの動きが0.1秒遅いと老けた印象に」調査で判明!肌の若さを保つ5か条を医師が指南
「老けている」という印象を与えるのは、シミ、シワだけでなく「ほおの動き」にも影響があることが、ポーラ化成工業の研究で判明した。若いとき同様にほおの皮膚の動きを活発化させるためにはどうしたらいいのか。美容皮膚科医の柴亜伊子さんに伺った。
若く見える人は身体的機能が高い
化粧品開発などを行うポーラ化成工業が2013年に発表した研究では、実年齢よりも3才以上若く見られる人は、3才以上老けて見える人に比べて、身体的機能が高い状態に保たれていることがわかっている。
また図のように、動脈硬化など血管障害を引き起こす一因である血中酸化LDLが、3才以上若く見える人は低値であることも判明している。
若く見える人は血中酸化LDL濃度が低かった!
見た目年齢が3才以上若い人は、動脈硬化の原因となる血中酸化LDL濃度が低く、血管の状態も良好なことが判明。
老けた印象はたった0.1秒の遅れで決まる
同社では2016年にほおの皮膚の動きの遅れが老けた印象を与えることを突き止めた。さらに人の見た目の年齢を左右するのは皮膚やほおの動きの影響も大きく、たとえば口を開いた際にあごの動きに比べて、ほおの皮膚の動きが0.1秒でも遅いと老けた印象を与えるというのだ。
たんぱく質を摂って皮膚の動きを活性化!
若いとき同様にほおの皮膚の動きを活発化させるためにはどのようにすればいいのか。美容皮膚科医の柴亜伊子さんは次のように説明する。
「ほおの皮膚の動きが悪くなっているのは、コラーゲンなどの支持組織が脆弱(ぜいじゃく)になり、皮膚と筋肉が離れてきている証拠です。まずやることはしっかりした皮膚を作ることです」(柴さん・以下同)
何を食べるかが重要
「すべての細胞・臓器は、たんぱく質でできているため、やはり良質なたんぱく源である肉、魚、卵、豆類を日々の食生活で多く取り入れることです。魚なら1日2切れは食べてほしいですね。お肉の場合は1食100gだけでは足りないので、肉や魚をメインにしたときは、豆類を副菜につけること。手軽に食べられる冷奴などをプラスする。これで必要なたんぱく源が確保しやすくなります」
オイルを抜く、過度なダイエットはNG
ただし、太らないためにオイルを抜いた食生活では、若い肌は得られないという。
「油とたんぱく質を一緒にとることで、ビタミンA、D、Eといった脂溶性ビタミンの吸収が促され、細胞にうまく働きかけて、栄養が皮膚や筋肉の隅々まで行き渡ります。これまで多くの患者さんを診療してきて感じることですが、20代後半から30代でも乾燥肌や、肌にツヤのない女性が増えています。これらの人は、やせすぎの人が多い。適度な脂肪があった方が肌にハリが出て若い印象になるので、過度なダイエットは避けてほしいです」
マッサージやこするなど、肌への刺激は厳禁!
肌に弾力やハリが出てきたとしても、顔に余計な刺激は与えないこと。
「いちばんよくないのは顔筋体操やマッサージです。顔を強くこすったり、顔の筋肉を無理して動かそうとすると、しわやたるみができやすくなり、かえって老けた印象になります。顔の筋肉はふだんの生活の中で、口を動かしたり、自然に笑ったりするだけで充分鍛えられます」
紫外線対策も万全に!
また、紫外線も老化には大敵なのでしっかりと対策を。
「日本で最も日照時間が短い秋田県と、日照時間の長い鹿児島県では、秋田県の人の肌年齢が10才以上若いというデータもあります。そのためにも紫外線対策をしっかりすることが、若さを保つ上で重要。日傘や帽子で日よけ対策をして、日焼け止めは朝と昼の1日2回、たっぷり塗ってください。日焼け止めはローションタイプなら1か所につき500円玉程度の大きさ、クリームタイプなら人差し指の先から第一関節くらいまでの量が目安です」
ただし、紫外線を怖がりすぎて、日光にまったく当たらないのも老化を進める行為だ。
「紫外線にまったく当たらないと、皮膚でビタミンDが形成されなくなります。ビタミンDはセロトニンやドーパミンといった脳内神経伝達物質の合成、放出を促すために必要なビタミン。不足するとうつ病のリスクが高まります。
また、体内時計も狂いやすいため不眠といった睡眠障害のトラブルも起こしやすく、顔色が悪く、ツヤのない老けた印象にもなりやすい。日焼け止めを塗る、日傘を使うなど紫外線対策をしっかりした上で、1日15分程度は外に出て太陽の光を感じましょう」
肌にツヤがない場合は、オイルをプラスするとよい。
「椿油は人間の皮脂に近いので、スキンケアとして使うとツヤがプラスされ、若々しい印象になりますよ」
顔から若くなるための5か条
【1】たんぱく源となる肉、魚、卵、豆類を必ず食べる
【2】顔筋体操やマッサージはしない
【3】日焼け止めはたっぷりと朝と昼の2回塗る
【4】日傘や帽子などで、紫外線を防ぎつつ、適度に外出する
【5】椿油を使ってツヤをプラス
教えてくれた人
柴亜伊子さん/あいこ皮フ科クリニック院長、美容皮膚科医。著書に『きれいな肌をつくるなら「赤いお肉」を食べなさい』(青春出版社)。
取材・文/廉屋友美乃 写真/本誌写真部
※女性セブン2022年7月28日号
https://josei7.com/
●注目の“眼圧リセット”で目の不調や老け顔予防|人気整体師・清水ろっかんさんが指南