コンビニで話題の豆腐バーって? たんぱく質補給に手軽なスティックバー実食レポート
今コンビニでスティックバータイプの商品が活況。たんぱく質を手軽に摂れるのでシニア世代にもおすすめだ。ブームの先駆けとなったサラダチキンバーに次いで最近は豆腐を使ったものが登場し、話題を集めている。コンビニから火がついて1000万本超のヒットとなっている『豆腐バー』をはじめ、記者が注目した商品を実食レポート!
たんぱく質豊富なバーで不足分を補う
料理好きだった記者の母(90才)は、最近では料理が億劫になっているよう。昼食を卵かけご飯やカップ麺だけで簡単に済ませていていることもあり、栄養不足も心配だ。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、60代以上はたんぱく質を1日あたり60g摂取することが推奨されている。つまり、1回の食事で20g摂ることが必要となる。しかし、食欲が低下気味でそもそも食事を作ることも困難になった母には、この量はハードルが高い。
母が昼食に好んで食べる卵かけご飯は、卵1個のたんぱく質量は約6.2g、100gの白米のたんぱく質量は約6gなので、合計すると約12.2g。卵かけご飯だけだと推奨値の20gに届かない。
不足する分のたんぱく質を補給するアイテムとして、最近コンビニでもたくさん扱っているたんぱく質を豊富に含むスティックバーを活用するのがいいかもしれない。
セブン-イレブンでは10gたんぱく質シリーズを展開していて、いろいろな素材のスティックバーを選べるようになっている。
コンビニで買えるたんぱく質たっぷりスティックバー5選
母のたんぱく質補給と記者自身のダイエットや健康のため、身近なコンビニで気になったスティックバーをセレクト。話題の『豆腐バー』をはじめ、5つの商品を実食レポートする。
※要冷蔵品。店舗により取り扱いがない場合もあります。
1.豆腐バー/アサヒコ
・発売1年で1000万本!開発背景を直撃
「1本でボリュームもあってダイエット中のおやつにぴったり」などSNSで話題となっている『豆腐バー』。セブン-イレブンから火がつき、発売1年で1000万本を売り上げた。
この商品を手がけるのは、豆腐メーカーとして50年の歴史をもつアサヒコ(2016年に朝日食品から社名変更)だ。マーケティング室長の池田未央さんに開発背景を聞いた。
「豆腐市場は年々縮小傾向だったのですが、打開策を模索していました。2018年にアメリカ出張したとき、スーパーでは豆腐は『TOFU』と呼ばれ、植物性のたんぱく質として、肉や魚と肩を並んで大々的に売っているのを目の当たりにしました。アメリカの人たちは豆腐を焼いたり油で揚げたりと自由な発想で楽しんでいるんです。
日本でもプロテインバーなどたんぱく質補給のための商品需要は伸びていたため、豆腐の良質な植物性のたんぱく質を活かせる商品として、スティックバーの開発に着手しました」(アサヒコ・池田さん、以下同)
スティックタイプにするための最大の課題は、やわらかい豆腐を硬めにすることだった。
「当時の日本には硬い豆腐を製造する設備がなく、豆乳の濃度やにがりの加え方を研究し、製造ラインも新たに改良しました。試作を繰り返し、硬めで弾力のある豆腐が完成しました。『豆腐バー』には、1本あたりたんぱく質10gが含まれていて、これは一般の絹ごし豆腐の約2.7倍※に相当します」
※日本食品標準成分表八訂。
「運動する人の手軽なたんぱく質補給や、忙しいビジネスマンには“ながら食べ”ができるなど、新たなユーザーや食シーンを生み出せたと思っています。バナナの皮をむくように開封すれば、手を汚さずそのままかじって食べられますよ」
――早速、記者が実食レポート!
豆腐バー バジルソルト風味/アサヒコ
・価格:138円
・たんぱく質:10.7g
・カロリー:109kcal
・食塩相当量:0.7g
・実食レポート
木綿豆腐をギュッと凝縮したようなもっちりした濃厚な食感。通常の豆腐のつるりのど越しがいい食感とは違うものの、1本で満足感が得られるのでダイエットにも使えそう。
カットして副菜として楽しむなら、普通の豆腐で必要な水抜きをせず使えるのは便利。記者は、生ハムやサーモンで巻いてオードブルのようにして食べてみた。お酒のつまみにもいける。
2.国産サラダチキンスティック トマト&チーズ/伊藤ハム
サラダチキンもコンビニで扱うバリエーションが増えている。記者が気になったのがナチュラルローソンで見つけた、BOSCOのオリーブオイルを使ったトマトとチーズ入りの商品。そのまま食べてもいいし、おかずやおつまみにもぴったりだ。
国産サラダチキンスティック トマト&チーズ/伊藤ハム
・価格:160円
・たんぱく質:10.8g
・カロリー:115 kcal
・食塩相当量:1.0g
・実食レポート
かじってそのままでも、料理の食材としてもおいしく食べられる。チキンにチーズとオリーブオイルがうまく調和していてパサパサ感がなく食べやすい。記者はたんぱく質をしっかり補給したく、朝ご飯にさっと炒めてスクランブルエッグ風にして食べてみた。火を入れるとオリーブオイルが溶け出し、卵もふんわりして美味。
3.海鮮スティック 博多明太入りマヨネーズ/スギヨ
ファミリーマートで見つけたのが、巨大なかに風味かまぼこのようなスティックバー。魚肉のたんぱく質が多く含まれることを表す「フィッシュプロテインマーク」※付きの商品だ。海鮮の風味と明太子のプチプチした食感が特徴。
※製品中に含まれる魚肉たんぱく質の含有量が日本かまぼこ協会の定める基準(8.1g/100kcal以上または4.1g/100kcal以上)をクリアした商品に限定して表記。参照:日本かまぼこ協会HP https://www.nikkama.jp/fishprotein/
海鮮スティック 博多明太入りマヨネーズ/スギヨ
・価格:138円
・たんぱく質:7.9g
・カロリー:84 kcal
・食塩相当量:1.8g
・実食レポート
意外にリアルなかにの食感に驚き!たらばがにのような感じで、ほろほろと口の中でほぐれ、マヨネーズ入りの明太子が中心にギュッと詰まっていていいアクセントになっている。明太子のピリ辛感やプチプチ感がいい。ほぐしてサラダにしてもよさそうだ。
4.豆腐バー 枝豆ひじき(アサヒコ)/セブン-イレブン
現在セブン-イレブンでは「たんぱく質10g」のスティックバーをシリーズ展開していて、前述の豆腐バーをはじめ、各社が参入している。
セブン-イレブンで見つけたのが、前述のアサヒコが手がける『豆腐バー』の枝豆ひじき味。豆腐のたんぱく質に加え、ひじきや枝豆がプラスされ、植物繊維も摂れる。ほんのり甘い煮物風味。
豆腐バー 枝豆ひじき(アサヒコ)/セブン-イレブン
・価格:170円
・たんぱく質:10.7g
・カロリー: 163kcal
・食塩相当量:0.8g
・実食レポート
カロリーはほかのスティックバーより少し高めだが、枝豆やひじきが入っているので立派なおかずとして成り立つ。まろやかな和惣菜といった感じでスライスしてお弁当のおかずにしたり、サラダにのせて食べるのが合いそう。
5.カニカマバー(プリマハム)/セブン-イレブン
セブン-イレブンの「たんぱく質10g」シリーズのひとつ。かに風味かまぼこを長い棒状にしたもので、1本73kcalとヘルシーだが、しっかりとした食べ応え。
カニカマバー(プリマハム)/セブン-イレブン
・価格:181円
・たんぱく質:10.2g
・カロリー: 73kcal
・食塩相当量:1.7g
・実食レポート
プリっとしっかりした歯応え。ビールのお供によさそう♪ 通常のカニカマより長いので、海苔巻きの具材にとしても切らずに使えて便利。
スティックバーを高齢者が食べるときの注意点
スティックバー商品は片手でかじって食べられ、手軽にたんぱく質が摂れるのでシニア世代にもメリットが多い。ダイエット目的や介護や家事にと忙しい人の栄養補給にはぴったりだが、介護が必要な高齢者が食べるときには、工夫が必要かも。
豆腐もチキンもカニカマタイプも、硬いわけではないが、歯茎でつぶせるほどのやわらかさではないので、咀嚼力・嚥下力が落ちた高齢者が食べる場合は、小さくカットしたほうがいいかもしれない。
記者の母が食べるときには、のどに詰まらせないよう記者が見守りつつ、飲み物と一緒に摂りながら少しずつ味わってもらうようにした。
加工食品なので塩分が高めの商品もあるが、たんぱく質が手軽に補給できるので、うまく介護中やダイエット中のアイテムとして採り入れていきたい。
取材・文・撮影/本上夕貴
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