「昵懇」読み方は?「でいこん」ではありません|大人の漢字ドリル10問 難読漢字を解説
報道記事などで頻繁に目にはしていても、「読み方が曖昧(あいまい)」という漢字は結構あるもの。下記の10個の漢字を見て半分読めたらアナタは超賢人! 引っかけ問題に注意しながら、早速チャレンジしてみよう!!
問題1「進捗」って何て読む?「しんぽ」ではありません
「進捗」
物事がはかどるという意味。
「しんぽ」or「しんちょく」?
答えは「しんちょく」。
問題2「攪乱」の読み方は?
「攪乱」の読み方は…
「かくらん」 か 「こうらん」のどちらでしょうか?
答えはまさかの「両方正解」!
漢字の意味通り混乱させられましたね。
問題3「婉曲」の読み方は?
表現のしかたが遠回しで、穏やかなことを意味する。
「わんきょく」か?
「えんきょく」か?
答えは「えんきょく」。
問題4「齟齬」ってどう読むの? 「そしゃく」
物事が上手くかみ合わないことを表現する時に使う。
「そしゃく」か「そご」か…?
答えは「そご」。
問題5「凡例」って何て読む?「ぼんれい」ではありません
書物の初めに方針、使い方、読み方などを箇条書きにしたものを意味する。
この場合「凡」は“ぼん”と読まず“はん”と読むので、答えは「はんれい」。
問題6「廉価」って何て読む?
値段が安いこを言う時に使う言葉。
「れんか」or「あんか」?
答えは「れんか」。
問題7「続柄」の読み方は?
「つづきがら」か 「ぞくがら」か?
「続柄」は両方とも正解!
本来は「つづきがら」と言われていたそうだが、現代ではどちらでもOKとされている。
問題8「慧眼」これ何と読む?
物事の本質を鋭く見抜くという意味の「慧眼」。
「すいがん」?
「けいがん」?
読み方は「けいがん」!
問題9「昵懇」読み方は?「でいこん」ではあません
親しく打ち解けてつきあう事を意味する言葉。
読み方の正解は「じっこん」。
問題10「代替」は「だいたい」 or 「だいがえ」どっち?
「代替」の読み方は…
意味は他のものに変える。
「だいたい」 or 「だいがえ」どっち?
もとは「だいたい」と読んでいたが、現代では「両方正解」でOK!
難読になる理由は音・訓読みのせい?
難読漢字はなぜこんなにたくさんあるのだろうか?
「漢字が日本列島で本格的に使われるようになったのは、4世紀頃と考えられています。初めは、中国語の発音に即した“音読み”のみで、読み方も1つでした。それなら漢字を知っていれば、必然的に読めることになります。
しかし、中国語を解さない日本人には、音読みでは意味が通じない。そこで、『歩く』『食べる』『話す』というように、漢字を日本語に翻訳した“訓読み”が発明されました。やがて、単語のみならず、熟語にも日本語を当てるようになりました。たとえば、独楽(こま)、団扇(うちわ)、花魁(おいらん)、狼煙(のろし)など、1つひとつの文字の読み方とリンクしないもので、これらを『熟字訓』と呼びます。
中国語を訓読みした結果、文字を見ただけでは読み方がわからなくなった。『熟字訓』が、難読漢字を生む要因の1つになっていると思います。明治時代によく使われていた『破落戸(ごろつき。ならずもの、とも)』という熟字訓は、中国語で『“落ちぶれた家”→“まっとうでない人”』という意味です。そう聞くと見当がつきますが、自力で『ごろつき』にたどり着くのは恐らく不可能でしょう。
さらに、日本独自の当て字も作られるようになりました。たとえば『十六夜(いざよい)』は日本の古語で、このような漢字は中国にはありません。『満月(十五夜)の翌日だから十六夜』と表現した、日本人の感性で生まれた漢字です。
現在も、運命を『さだめ』、本気を『マジ』と読ませることがありますが、これこそ、十六夜と名付けた古代日本人の思考そのもの。感性は脈々と受け継がれていますね」
漢字ドリル製作者:円満字二郎
漢字の達人/出版社で国語教科書や漢和辞典などの編集者として勤務後、2008年にフリーに。漢字や漢詩・漢文、中国史に関する記事の執筆・編集を行う。近著に『難読漢字の奥義書』(草思社)がある。取材・文/佐藤有栄
※女性セブン2022年6月16日号
https://josei7.com/
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