仙骨をほぐして不調にアプローチ|こり固まったお尻のエクササイズ
テレワークをはじめ、テレビやスマホタイムなどで座りっぱなしの生活が増えた私たちのお尻はこり固まっている――。特にお尻の上部にある「仙骨」が冷えていたり、硬い場合は血流が滞っている場合が多い。めぐりが悪くなると婦人科系を含む、さまざまな不調を引き起こす可能性があるという! そこで、“お尻先生”の異名を持つ、鍼灸師の田口咲さんに、仙骨周辺のほぐし方を教わった。
太い神経が集まる「仙骨」
硬くなったお尻をお尻の上部にある逆三角形の骨=仙骨だ。上半身と下半身の骨をつなぎ、全身の骨格を支える土台である仙骨の周辺には、多くの血管や神経が通っている。
「仙骨を含む骨盤の内側には、腸や子宮、卵巣、膀胱などの内臓があります。お尻が冷えていたり、硬ければ、骨盤内の血流が滞ってしまいます。すると、これらの臓器に流れる血液も減少するため機能が低下。婦人科系を含む、さまざまな不調の原因になるのです」
「仙骨」の場所を確認
姿勢を正すには「仙骨を立てる」のが重要だが、お尻をほぐす場合は寝転んだ体勢で、仙骨を刺激するのが大切だ。仙骨は、お尻の割れ目のいちばん上に中指の先を当て、手のひらで覆った部分にある逆三角形の骨だ。
仙骨をほぐすと女性に嬉しいメリットがたくさん!
仙骨には太い血管が集まり、骨盤内にある子宮などの臓器につながる神経や副交感神経など、多くの神経が通っている。
「子宮には卵巣の機能を高めるツボもあるので、ここをほぐせば、冷えやむくみの改善、婦人科系の不調の改善効果が得られます。全身の血流が整うため小顔効果や、副交感神経が優位になってリラックス&精神の安定も期待できます」(田口さん)
仙骨周辺をほぐしていこう
★【仙骨の周辺はこうしてほぐす】
右回し 左回し 各3回
■骨盤の3点が床に当たるように仰向けになり、両ひざを抱える
仰向けになり、両ひざを曲げて両手で抱える。このとき、仙骨部分が床に当たるようにすること。反り腰などで腰が浮いてしまう場合は、股関節をより深く曲げてひざをしっかり引き寄せると、仙骨を刺激しやすくなる。
■両ひざを揃えてゆっくり回す
両ひざを揃えて、小さく右に回す。このとき、仙骨が床から離れないよう注意すること(左右3回ずつ)。仙骨が床に当たって痛い場合は、マットやタオルを敷いた上で行おう。
★【仙骨回し】
両ひざを離して行う
仰向けに寝て両ひざを曲げ、両手で抱えて仙骨全体を床につけたら、両ひざを離す。仙骨が床から離れないよう注意しながら、外側と内側、それぞれ3回ずつ回す。
★【仙骨落とし】
軽くトントンと床にお尻を落とす
仰向けに寝て軽く脚を開いて両ひざを立て、両腕は手のひらを下に向けて体の横に置く。お尻を床から浮かせたら、仙骨が床に当たるように優しく上下に動かす。これをトントンとリズミカルに5回した後、さらにお尻を引き上げ、床にストンと落として仙骨を刺激する。
教えてくれた人
田口咲さん/鍼灸師
「鍼美salonゑまひ~EMAI~」代表。著書は『全身きれいになりたければ、お尻だけほぐせばいい!』(講談社)。
取材・文/山下和恵 イラスト/藤井昌子
※女性セブン2022年12月9日号
https://josei7.com/