仙骨ってどこ?なんとなく不調に仙骨温め その方法とは
「なんとなく体がすぐれない」などと感じる女性のなんとなく不調は、「仙骨」を温めるだけで解決すると、鍼灸師の中野朋儀さんは言う。
ところでこの骨、一体どこにあるのだろうか?
仙骨の前には自律神経が通っている
「仙骨とは、骨盤の中央にある逆三角形の骨で、大きさは手のひらくらいあります。わかりやすく言うと、お尻の上の方にあり、骨盤の中にある生殖器を守ってくれている骨のこと。そして、仙骨の前には自律神経が通っているんです」(中野さん、「」内以下同)
なんとなく不調の多くは、自律神経の機能低下と、血流の悪さが原因。この2つの機能を改善するには、体全身を温めればいいのだが、なぜ、仙骨を温めるだけで、全身が温まるのか。
「仙骨には、筋肉や脂肪が少ないため、外からの熱や刺激が伝わりやすいんです」
温めることで最初に刺激されるのは、自律神経の中の副交感神経。副交感神経は刺激されると、血管を広げ、血流をよくしてくれる。同時に、血液とともに流れているホルモンの巡りもよくなるというわけだ。では、どう温めればいいのか。
入浴時に30秒、40℃以上のシャワーを仙骨に当てる
「おすすめは、入浴時に30秒程度、40℃以上のシャワーを仙骨に当てる方法。症状が重い時は、日中や就寝前も温熱シートで温めましょう」
早くて1週間、遅くとも4週間で変化を感じるという。
「自律神経の機能は、鍼灸やマッサージなどでも高められますが、治療を受けない日は効果が持続しません。毎日仙骨を温めてセルフケアをすれば、自己免疫力を高められるので、病気を寄せつけない体になります」
毎日続けやすいのは、入浴のついでに行える“シャワー当て”。今日から試してみてはどうだろうか。
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日中、仙骨を温熱シートで温める
しかし、寝ても倦怠感が取れないなど、症状が重い場合は、日中も常に仙骨を温め続けよう。温め方は、蒸気が出るタイプの温熱シートを仙骨に貼るだけ。温熱シートはドラッグストアなどで購入可能だ。
「カイロではなく、温熱シートというのがポイントです。というのも、温熱シートは、蒸気が出るので、体が早く温まるんです」
ある実験で、蒸しタオルを直接皮膚に当てた場合と、ビニールで包み、蒸気を遮断してから当てた場合を比較したところ、蒸しタオルを直に当てた方が、血流が2倍近く改善されたという。
実際、記者Sも試してみた。カイロと違い温度が40℃と低いため、温まるのに時間がかかるのではないかと思ったが、わずか5分で全身が軽く汗ばむほど、体が温まったのには驚いた。これを1週間続けたところ、まずは便秘が改善。睡眠も深くなった。
「仙骨は腸や膀胱にも近いため、頻尿や便秘がまず解消されるケースが多いようです」
ストレスが多い人も仙骨温めを
ストレスが多い人も日中の仙骨温めはおすすめだ。
「温めることで副交感神経が優位になると、緊張や興奮を落ち着かせ、イライラを抑えてくれるんです」
しかし、カイロで温めるのは危険。一定の温度(約40℃)が約5~8時間続く温熱シートと違い、カイロは温度が70℃くらいまで急上昇するため、皮膚が薄い仙骨に当てると低温やけどをする恐れがあるのだ。
どうしてもカイロを使いたい場合は、タオルなどに包んで服の上から当て、時々外そう。睡眠中は温度上昇に気がつかず、低温やけどを起こしやすいので、控えること。
※参考文献/
教えてくれた人
中野朋儀さん/鍼灸師。著書に『仙骨を温めればすべて解決する』(SBクリエイティブ)がある。
※女性セブン2017年10月26日号
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