猫が母になつきません 第269話「あがる」
猫は高いところが好き。それを知ってはいても、ときどき思いもしないほど高いところに上がっていることがあって驚いてしまいます。猫は1.5〜2mほどは簡単にジャンプできると言われていて、人間に例えると助走なしで7〜9m、建物の2〜3階に飛び上がれるほどなんだとか。家の中なら天井に届くような高い棚の上のさらにダンボールの上とか、外では高い木はもちろん、さびが屋根に上っているのを見たことがあり、いったいどこから登っているのか不思議に思いました。猫が屋根にいるのはマンガの中でしか見たことがなかったので「ホントに登るんだ」とへんに感心してしまいました。以前、雨漏りがあって修理をお願いしたときに、大工さんが「瓦がずれていた」と言われたので「もしやさびが…」と思いましたが、とりあえず母には内緒にしておきました。それに、屋根の上にいるさびを見たのは何年も前で、今はもう上がることはないのではと思っています。なぜなら最近はジャンプをするときに「軽々」というよりもちょっと時間をかけて「よっこいしょ」という感じ。さびは今年で8歳なので猫の寿命ではシニア期に入り、少し動作が鈍くなったように感じます。ついこないだまで仔猫だったのにあっという間に私たちに追いついてきて…。でもここからが長い。ゆるゆる健康に、猫も人間も。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。