精神科医Tomyの元気の出る金言【第8回 親が年取ったと気になっているあなたへ】
変化は止められないのよ。
月日が経てば
親も年老いていく。
戻りたいと苦しむより
パッと認めちゃいましょう。
* * *
どうにもならないことは「諦める」
おはようございます。精神科医のTomyです。今日の話題は、“親が年を取る現実を受け入れ難い”という子供世代の気持ちについて。
子供としては親がいくつになってもシッカリしていると思いたいので、複雑な気持ちになるのもわかるわ。寂しいし、ショックよね。
たまに一緒に食事をするくらいだと、親も気を張ってこちらに気づかせないかもしれませんね。ひとりでできないことが増えて、手伝いに行くようになると「こんなに頑固だったかなあ」「聞き分けのないことを言って、子供みたいだなあ」なんて、昔と違うことに気づくんじゃないかしら。
でもさ、親からしたら、そう言われても困るじゃないの。子育てを終えて老いていくうちに、自分が過ごしやすいルールで生きるようになったんだから。
年老いた親と意見をすり合わせるのは限界があると思います。そして年を重ねるごとに、私たち子供世代が譲る部分が多くなっていく。言い方はアレなんですが、どうにもならないことは諦めて認めちゃいましょう。「諦める」のは、残されたものにエネルギーを注ぐためでもあるんですよ。
アテクシのツイートで、一番大きな反響がありうれしかったのが、『執着を手放す』ことを深掘りしたものでした。『執着を手放すほど心は楽になり、最後に残ったものが生きる理由』と言ったのよ。失ったもの・できなくなったことに執着せず、手放していくのが自然な姿だと認めていくのです。
やがて自分も年老いて、手放していく世代になるのです。親を見守りながら、“残されているものを大切に”と心に刻んで進みたいですね。“手放し上手”を目指しましょうよ。
プロフィール
精神科医Tomyさん/1978年生まれ。国立大学医学部卒業後、精神科クリニックに勤務。診察する中で言葉の力に気づき、自身のつらい経験も生かして温かいアドバイスをツイッターで発信。たちまち話題になり、フォロワー現在、24万人を突破。作家・エッセイストとしても活動しながら、悩み多き人々に寄り添い続けている。
ツイッター:『ゲイの精神科医Tomyのつ・ぶ・や・き』 @PdoctorTomy
『もう、“言わずに我慢”なんてしなくていい! 精神科医Tomyの 言いたいことがラクに伝わる35の方法』(大和出版)
『精神科医Tomyが教える 1秒で元気が湧き出る言葉』(ダイヤモンド社)
取材・文/永田玲香