オレオレ詐欺の実例と日々巧妙になる手口 「まさか自分が!」と思ってる人ほど危ない
60才を過ぎて、ようやく第二の人生に突入。貯蓄も充分、もうすぐ年金ももらえるし…と、安心するのはまだ早い。老後のお金トラブルの中でも、認知症手前を狙って言葉巧みに忍び寄る詐欺師「オレオレ詐欺」について、早めに知っておくべき事例を紹介する。
50才を過ぎたらさまざまなお金トラブルが
50才を過ぎて気をつけたいお金トラブル。ライフステージごとにどんなこんなことが起きる可能性も!?
こんなにある!老後のお金トラブル年表
56才:「熟年離婚予備軍」に仲間入り
60才:年収は半分。仕事は新人レベルに逆戻り
62才:銀行のすすめで財産が「半凍結」状態に
66才:がんの発症率、一気に増加
70才:医療費急増、 資産が枯渇する人も
82才:認知症発症率が増加。 入院して口座が凍結
90才:入院、寝たきりに
※横手彰太著『老後の年表』より
まさか自分が…オレオレ詐欺の巧みな実例
「オレオレ詐欺なんてまさか引っかかるはずない」と、思っていませんか? コロナ禍で急増しているという言葉巧みな詐欺の手口や実例を知り、お金をだまし取られないよう、対策をしておきたい。
コロナ禍で在宅時間が増えたのに伴って急増しているのが、電話口で不当にお金を騙し取ろうとする、オレオレ詐欺の類だ。
「いまさら誰が引っかかるのよ」と笑うなかれ。その手口は、日々巧妙になっている。埼玉県に住む塩谷有希江さん(74才・仮名)のところにも、こんな電話がかかってきた。
「ごめん、いまちょっとかぜ気味でさ。声、聞きづらくない? 実は、スマホをトイレに落としちゃって。番号変わったから、登録しておいて」
すっかり息子からの電話だと信じ込んだ塩谷さんは、そのままその番号を息子の名前で登録した。そして数日後、焦った様子の“息子”から、再び電話がかかってくる。
「おれ、おれ。実は、詐欺に引っかかっちゃったみたいで、どうしよう…いますぐ200万円振り込めって脅されて…」
人間誰しも、年を重ねると、どうしても判断能力が衰えてしまう。そこに詐欺グループがつけ込むケースが後を絶たないのだ。
オレオレ詐欺の対策
「特に、判断能力が低下しつつある認知症の一歩手前の人たちが狙い撃ちされやすい。そして、日頃から家族とのつながりがないと、声が違っても気づけないことが多い。
最近では、『弁護士』や『警察官』など、複数の登場人物が出てくる劇場型の詐欺も増えています。
予防の基本は、常に留守番電話設定にしておくこと。こうした詐欺の防止のため、多くの警察署では高齢者を対象に自動通話録音機を無料で貸し出しているので、利用するのもいいでしょう」(老後問題解決コンサルタント・横手彰太さん)
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上記のような事例をふまえ、「オレオレ詐欺」にちょっとでも不安を感じたら、警察相談専用電話「♯9110」に相談を。
警察庁では、俳優の杉良太郎氏の呼び掛けで集まった著名人で結成されたプロジェクトチーム「SOS47」を結成し、特殊詐欺の被害を食い止める活動を行っている。
※女性セブン2021年6月10日号