肥満・肩こり・腰痛・便秘・肌荒れ…その不調、股関節のゆがみが原因かも?
原因がわからない”なんとなく”体の不調はありませんか? 実はそれ、股関節のゆるみが原因かも…。股関節のゆるみが、なぜ不調を引き起こすのかを専門家の方に解説していただきました。理由がわかると、解決に向けて取り組みやすくなりますよ!
長引く巣ごもり生活で股関節がゆがむ!?
自粛生活が始まってはや1年以上が経ち、ストレスや自粛太りに悩まされている人は多い。
「運動しようにも外に出づらいし、マスクをしてジョギングなんてとても無理。一日中座っているからか、なんだか背中も丸くなってきた気がして…」
それもそのはず。長引いている巣ごもり生活は、女性の“心身の健康”や“美”の要である「股関節」をゆがませるのだ。
これまで12万人以上に施術してきた、整体師の南雅子さんが言う。
「股関節は、上半身を支えながら下半身の動きをサポートする、体の要になる関節です。それと同時に、血液やリンパ液などの“関所”でもあるので、股関節がゆがんでいると、全身にあらゆる不調が出てきます」(南さん・以下同)
股関節とは?仕組みを理解
そもそも股関節とは、骨盤と大腿骨(太ももの骨)のつなぎ目のこと。左右対称な、蝶のような形をした骨盤の左右に寛骨臼(かんこつきゅう)という穴が開いており、その穴に大腿骨の先端のボール状の部分がガッチリとはまることで成り立っている。
「股関節は骨盤を支え、骨盤は背骨を支え、背骨は頭を支えています。ですから、股関節がズレると、下半身だけでなく顔までゆがむ。顔が左右非対称な人は、股関節がゆがんでいることが多いのです」
股関節のゆがみが引き起こす病とは?
いまは特に、自粛生活によって股関節がゆがんでいる人が増えてきているという。43才で3人の子供を育てる「くびれ母ちゃん」こと姿勢改善コアトレーナーのYumicoさんが話す。
「自粛生活が続き、ずっと座りっぱなしだったり、姿勢が悪かったりすると、股関節はどんどんゆがんだり、ゆるんだりしていきます。大腿骨が本来とは違う角度や深さで寛骨臼にはまってしまうと、お尻のインナーマッスルがうまく働かなくなって、前傾姿勢になるなど、歩き方が悪くなります。すると、脚に負担がかかるのはもちろん、お尻が垂れて脚が太くなります」
家にこもればこもるほど、股関節はどんどんゆがみ、ゆるみ続けていくのだ。
リモートワークなどで長時間同じ姿勢でいると、上半身の重みをすべて骨盤と股関節が受け止め続けることになる。圧迫された股関節が「これ以上ゆがまないように」と緊張し、さらに筋肉と股関節がこわばって、どんどんズレていくという。
「股関節がズレていると、当然ながら股関節とつながっている骨盤、背骨もゆがんできて、猫背になります。すると、肩こりや腰痛が起こる。猫背だと肺が圧迫されて内臓が下がり、胃腸の働きが悪くなって、便秘やそれに伴う肌荒れも起こるのです。圧迫された肺はうまく酸素を取り込むことができないので、疲れやすくなることもあります。
股関節の近くには太い血管やリンパ管があるため、ここが圧迫されてめぐりが悪くなることで、肌のくすみのほか、シミ、しわ、ハリの低下などが起こります。
ほかにも、髪がパサパサになったり爪がもろくなったり、美容の問題がいくつも出てきます。
さらに、骨盤まわりの血流が滞ることで内臓が冷え、生理痛や月経前症候群(PMS)が悪化することもある。また、股関節がゆがんだりゆるんだりすることで、太ももやふくらはぎの骨も影響を受けます。その結果、脚が太く、短くなるほか、ひざが曲がってO脚やX脚も進行します」(南さん)
たった2つの関節がゆがむだけで、これほどまでに恐ろしいことが起こるのだ。もはや、女性の体の悩みはすべて、股関節のゆがみに一因があると言っても過言ではない。
しかし、絶望するのはまだ早い。南さんは、股関節はとてもゆがみやすいが、その分、締め直すことも簡単にできると話す。股関節を締め直せば、これらの悩みは、一挙に解決に向かうということだ。
→知らぬ間に短足に!こもりっきりで脚も腕も縮む理由|専門家が解説
教えてくれた人
カイロプラクティック・整体師 南雅子さん
整体エステ「GAIA(ガイア)」主宰。『死ぬまで歩くには1日1分股関節を鍛えなさい』(SBクリエイティブ)など、著書多数。
姿勢改善コアトレーナー Yumicoさん
現在オンラインレッスンも行う「YumiCoreBody」代表。『くびれ母ちゃんの骨からボディメイク 3DX BODY』(ワニブックス)など著書多数。
※女性セブン2021年4月1日号
https://josei7.com/
●肩甲骨・腰回り・股関節… 毎日3分で体を柔らかくするストレッチ