知らぬ間に短足に!こもりっきりで脚も腕も縮む理由|専門家が解説
コロナによる自粛生活が始まり1年が経とうとしているいま、コロナ太り意外にも弊害が生じてくるという。あと半年ステイホームが続けばとんでもない“短足”になるという…。その理由を専門家が解説する。
手足が短くなった!? 鏡を見て仰天!
50代の松村智子さん(仮名)がため息をつく。
「そろそろ衣替えの準備をしようと春物の服を出して、ちょっと着替えてみたんです。そうしたら、鏡に映る自分の姿を見てギョッとしました。体重も洋服のサイズも変わっていないのに、手足が太く短くなって、ウエストにも締まりがなくなっているように見えました。まさにずんぐりむっくり! 自分の全身をまじまじと見ること自体、久しぶりだったというのもありますが、特に体重が増えたわけでもないので、なぜこんな体形になったのか不思議です」
“コロナ太り”という言葉が浸透して久しいが、その一方で、「新しい生活様式」には、体形そのものも大きく悪化させる要因が多く潜んでいる。
自粛生活で短足化が進む理由を専門家が解説
「家の中にこもりきりでスマホやパソコンばかり見る生活があと半年続けば、多くの人は確実に短足化が進みます」
恐ろしい指摘をするのは美脚トレーニングの指導者で脚線整美師の中村希実さんだ。
「スマホを使うときやデスクワークをするとき、背中や腰が丸まった猫背の姿勢になっている人がほとんどです。しかしこの状態が長く続くと、骨盤が開いてゆるんだ状態になります。加えて、猫背の状態では腹筋や背筋など、体幹のまわりについた筋肉を使っていない。そのため、それらの筋力が徐々に低下していくのです」(中村さん・以下同)
ステイホームがもたらすスタイルの悪化とは?
中村さんによれば、骨盤はいわば“重いパンツ”のようなもの。普段は腹筋や背筋によって背骨や肋骨につながれて位置を保っているが、ゆるくなり、また固定していた筋力が弱まれば垂れ下がっていく一方だ。
「骨盤が下がることで、胴が長く足が短く見えてしまう。さらには腹筋が衰え、お腹まわりの筋肉がたるむことで、くびれもなくなる。体幹まわりの筋肉には胸やお尻の位置を保つ役割もあります。これらが衰えると、骨盤と同時にバストやヒップの位置も下垂してしまいます」
ステイホームで外出の機会が減ったことも、スタイルの悪化に拍車をかける。
「通勤がなくなり、駅の階段を上り下りする時間が減ったことでふくらはぎの筋肉が減った人は多いはずです。実際、足首が太くなり脚がむくんだメリハリのない“寸胴脚”になっているケースが散見されます」
腕が短くなった人も…老眼も心配
『1日7秒手を伸ばしなさい』(ダイヤモンド社刊)の著書がある、アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長で鍼灸師の高林孝光さんは、コロナ禍以降、手が縮こまって、腕が短くなった人が増えていると指摘する。
「原因はスマホやパソコンなど、デジタル機器の長時間使用による腕の使いすぎです。腕の筋肉は動かしすぎると緊張して硬く縮こまり、短くなります。ところがO脚やむくみなど下半身の変化と違って、腕は短くなっても自分では気がつきづらい。骨盤矯正など下半身のケアを求めて整体に来る患者の中でも、自覚がないまま腕が短くなっている人は多いのです」(高林さん・以下同)
この状態を放置すればスタイルが悪くなるのはもちろん、全身にも影響が及ぶ。
「腕のまわりの筋肉が固まった結果、慢性的な肩こりや腰痛に悩まされるケースが多い。腕が短くなることによって、手に持ったデジタル機器と目の距離が近くなり、疲れ目や老眼のリスクが上がることも懸念されます」
教えてくれた人
中村希実さん/美脚トレーニング指導者・脚線整美師 https://kyakko-bijin.com/、高林孝光さん/アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長・鍼灸師 http://www.hiza2.com/
イラスト/つぼゆり
※女性セブン2021年3月11日号
https://josei7.com/