正しい”歯磨き”3つのポイント|歯ブラシの動かし方、当て方、力加減は?【専門家が解説】
毎日の歯磨きを誤った方法で続けると、むし歯や歯周病を防げないほか、歯肉まで傷つけてしまう可能性も。それらを予防するためにも上手に歯ブラシを使い、健康な歯を保ちたいもの。正しい歯磨きの方法を専門家に聞いた。
歯ブラシは小刻みに、すすぎは軽く
「歯磨きの基本は、歯ブラシの毛先を歯の面にきちんと当て、軽い力で小刻みに振動させるように磨くことです」
こう話すのは、日本歯科衛生士会会長・日本口腔衛生学会理事の武井典子さんだ。
歯ブラシをただ歯に当てるだけでは歯の表面しか磨けないため、歯面や歯と歯肉の境目にしっかりと当てる角度を意識して磨くことが重要だ。また、横や縦に大きく動かすと、歯や歯茎を傷つける可能性があるので注意したい。
歯磨き後のすすぎもポイント。歯磨きペーストのむし歯を予防してくれるフッ素の効果を高めるには、フッ素をできるだけ長く口の中に留めることが重要。そのため、入念なすすぎはNG。少ない水で簡単に行うだけでよいという。
「歯ブラシは、
・ヘッドが小型
・ブラシは平切、
・ハンドルはストレートのもの
が磨きやすいですよ。交換時期は1か月に1本が目安で、歯ブラシを後ろから見て毛先が開いていたら替え時です」(武井さん、以下同)
歯垢がつきやすい部分を意識して磨く
特に歯垢がつきやすいのは「歯と歯の間」と「歯と歯茎の境目」。ただなんとなく歯ブラシを当てただけでは、歯と歯ブラシの間に隙間ができてうまく磨けない箇所だ。この2か所を意識して歯ブラシを当て、しっかり歯垢を落とすこと。
健康な歯を保つための歯磨き3つのポイント
ポイント1:上手な歯ブラシの当て方
歯の外側を磨くときは、歯面に対して毛先を直角に当てる。さらに、歯と歯肉の境目は歯ブラシを45度に傾けると毛先がフィットする。内側は歯ブラシを少し傾け、歯面に毛先を当てるのがポイントだ。
ポイント2:力加減をチェック!
磨く際は、力を入れすぎずに軽く左右に動かし、歯ブラシの毛先が開きすぎないように注意。1~2本の歯に対して、5~10mmの幅で小刻みに動かして磨くのが理想的。
ポイント3:磨きにくい歯はひと工夫
・凸凹の歯並びの場合は…
前歯外側の歯並びが凸凹している場合は、歯の1本1本に歯ブラシを縦に当て、上下左右に動かす。
・背の低い歯の場合は…
背の低い奥歯がある場合は、歯ブラシを斜め45度に横から入れ、前後に動かすと磨きやすい。
教えてくれた人
武井典子さん/日本歯科衛生士会会長、日本口腔衛生学会理事。歯や口の健康に関する教材などの著書多数。
取材・文/スペースリーブ(湯山幸奈) イラスト/細川夏子
※女性セブン2021年3月11日号
https://josei7.com/
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