寒い季節に電気が使えなくなった時、暖をとるのに役立つアレって?
この冬は全国的に厳しい寒さに襲われ、北日本では猛吹雪、大雪の心配がつきない状況だ。 寒い時期でも地震は、いつ発生するかわからない。
首都直下地震が発生した場合、被災エリアの半数にあたる約1220万戸が停電すると想定されている(※)。
※内閣府「首都直下地震の被害想定と対策について」(’13年12月公表)より
さらに、復旧まで6日間程度かかる見込みとなっており、発災直後は、電気が使えない状況下での避難生活を余儀なくされる。寒い時期に暖房が使えなくなってしまったら…。いざというときに備えてどうすればいいか、専門家に教えてもらった。
電気が使えないときの寒さはどう凌ぐ?
「特にこの寒い季節、長時間暖房が使えなければ、室内でも低体温症や凍死のリスクが高まります」
と、備え・防災アドバイザーの高荷智也さんは言う。
では、電気が使えないとき、避難所や家の中でどのように寒さをしのげばいいのか?
「カイロ、毛布、カセットコンロとカセットボンベなど、電気を必要としない防寒グッズを用意しておきましょう。
カセットコンロは温かい食事の確保用だけでなく、沸かした湯をペットボトルに入れて湯たんぽを作るのにも活躍します。カセットボンベは、4人家族の場合、 1日2本を目安に確保しておくと安心です」(高荷さん・以下同)
見直したい石油ストーブ
さらに豪雪地帯の場合は、石油ストーブなど、電源不要で点火できる暖房機器を用意しておいた方がよい。
そして室内でもとにかく着込むこと。衣類だけでなく、足元から冷えるので靴下も重ねて履いたり、厚手のものにするとよい。
避難所に行く際も、ジャンパーの上にコートなどを羽織り、いつもより多めに着て行こう。
そうはいっても、状況によっては着の身着のまま避難せざるを得ない場合もある。
新聞紙で暖をとる
そんなときに体を温めるアイテムとして使えるのが新聞紙だ。新聞紙には、保温効果があるからだ。
「防寒の基本は、体から発せられる熱を、いかに体の周りにとどめられるかです。そのためには、風を通さない上着を着て、体の周りに空気の層を作り出すことが重要となります。丸めた新聞紙を上着の中に入れることで、空気の層をより多く確保できるので、保温効果が高まり、暖かく感じられます」
新聞がない場合は、タオルでも代用できる。
そのほか、大きなポリ袋に丸めた新聞紙を入れれば簡易布団となり、その中に足や手を入れておけば暖をとれる。
多用途に役立つので、古紙回収に新聞紙を出す際は、数部程度を残しておくことをおすすめする。
寒い季節の災害に備える【まとめ】
●カイロ、毛布、カセットコンロとカセットボンベを用意しておく
●カセットコンロは、4人家族で1日2本が目安
●電気を使用しない暖房を準備しておく
●室内では、たくさん着込む
●新聞紙は、保温効果大なのでストックしておくと便利
教えてくれた人
高荷智也さん/備え・防災アドバイザー
取材・文/鳥居優美 イラスト/大窪史乃
※女性セブン2021年1月21日号
https://josei7.com/