【有楽町線】注目の介護付有料老人ホーム【まとめ】
「株式会社アズパートナ―ズ」は2017年、介護におけるICT/IoTシステム「EGAO link(エガオリンク)」を導入した。同システムは、センサーを用いた見守り支援システムとナースコール、記録管理システムを連動させ、入居者の状態把握やコール対応、記録入力などをスタッフに配布したスマートフォン1台で行えるようにした、業界初のシステムだ。先行して導入した「アズハイム町田」では、施設全体で1日あたり約17時間の労働時間を減らすことができたという。
また、「EGAO link」を構成する機能の1つに「眠りSCAN」というセンサーがある。これにより、入居者の睡眠・覚醒状態に加え、ベッドでの起き上がり、離床、そして1分間の呼吸・脈拍数まで感知し、それらをスマートフォン、パソコン画面でリアルタイムに把握できる。そのため、入居者からのアクションが起きてから行動するのではなく、先手を打ってアプローチできるようになったという。その結果、アズハイム町田では1日あたりのナースコールが90回から25回に減少するという効果が出ているそうだ。
「夜間の決まった時間に『巡視』をするのですが、扉を開ける音などでご入居者の眠りを妨げてしまうことがありました。『EGAO link』を導入したことで、睡眠状態が一目で分かりますので、熟睡されている方を無理に起こさずに安否確認ができるようになりました」(ホーム長の小川恵子さん)
東京メトロ有楽町線「地下鉄赤塚」駅が最寄りの「アズハイム練馬ガーデン」で、眠りSCANのセンサーが感知した情報がどのようにスマートフォンに送られるのかを目の前で見せてもらった。ベッドに寝た状態から体を起こすと、スマートフォンにリアルタイムで情報が共有され、イラストで状態を視覚的に確認できる。各自が常に携帯しているスマートフォンにコール通知されるので、見落としの心配もない。コール通知の設定は、各入居者の状態に合わせて、「起き上がり」や「離床」、「通知不要」など個別設定できるという。
「熟睡している」「ベッドの上で体を起こしている」などの様子も分かるので、スタッフは精神的にも余裕を持って対処ができる。また、入居者の様子を正確に把握できるので、対応が後手に回ることなく行えるようになったという。ちなみにアズハイム町田では、夜間の転倒事故がシステム導入前の半分程度に減少するなどの効果につながっているそうだ。
「EGAO link」の導入によって、入居者に向き合う時間が多くなり、リハビリや「夢を叶えるプロジェクト」をはじめとする個別ケアを充実させることができているという。覚醒、起き上がり、離床などの動作をスマートフォンでスタッフがリアルタイムで把握しているので、居室内での夜間の転倒事故も大幅に減少しており、入居者本人はもちろん、家族にとっても大いに安心できる環境だ。最新の介護におけるICT/IoTシステムの効果を、ぜひその目で確かめてみてはいかがだろうか。
→最新の介護ICT/IoTシステムを導入した介護付有料老人ホーム<前編>
→最新の介護ICT/IoTシステムを導入した介護付有料老人ホーム<後編>
賑やかな有楽町駅や下町の雰囲気を残している月島駅、新しく市場ができた豊洲駅など多くの顔を持つ有楽町線。ピンときた施設をピックアップして、路線沿いに老後の住まいを探してみてはいかがだろうか。
撮影/津野貴生 取材・文/ヤムラコウジ
※施設のご選択の際には、できるだけ事前に施設を見学し、担当者から直接お話を聞くなどなさったうえ、あくまでご自身の判断でお選びください。
※過去の記事を元に再構成しています。サービス内容等が変わっていることもありますので、詳細については各施設にお問合せください。
●特養に早く入所する裏ワザ|判定会議で優先順位を上げる方法や狙い目