缶詰博士が教えてくれる缶詰をおいしく食べる簡単レシピ10品
長期保存ができて温めるだけですぐに食べられる缶詰は、便利なお助け食品だ。とはいえ、何度も食卓出せば飽きられてしまう…。そこで今回は、コンビニエンスストアなどで手軽に買える缶詰で作る、ちょっと手を加えるだけでもっとおいしくなるアレンジ技を紹介します。
アレンジしやすいのは魚の水煮缶!
缶詰をおいしくいただくにはまず温めることだと、缶詰博士の黒川勇人さんは言う。
「魚のみそ煮や牛肉の大和煮など、調理されているタイプの缶詰は、温めるだけで風味も口当たりもよくなります」(黒川さん・以下同)
温め方は湯煎がベスト。熱湯に約5分入れ、粗熱がとれたら缶を開ける。もちろん、缶詰に手を加えてもっとおいしくする方法もある。今回は黒川さんおすすめのアレンジレシピ10品を紹介する。
「特にアレンジしやすいのは魚の水煮缶。EPA、DHA、カルシウムが豊富なうえ、塩ゆでしてあるので下処理をせずに使えて便利です」
ぜひお試しを!
※レシピは特記以外2人分。電子レンジの加熱時間は600Wの場合。500Wは2割増し、700Wは2割減に。あくまで目安なので、まずは記載通りに加熱し、冷たい部分があれば10秒ずつ加熱時間を増やす、またはワット数を下げるなどして調節を。
缶詰アレンジレシピ10品
1:丹後のばら寿司
【1】ご飯2杯分とすし酢大さじ1 1/2を混ぜ合わせて酢飯を作る。
【2】溶き卵1個分を薄焼きにし、さらに細切りにして、錦糸卵を作る。
【3】さばのしょうゆ煮1缶(150g)を汁ごとフライパンに入れて中火にかけ、さばを崩しながら汁気がなくなるまで炒める。
【4】器に【1】の酢飯を詰め、【3】を広げ、【2】の錦糸卵を飾り、せん切りにした甘酢しょうが適量と大葉2枚分を全体に散らす。
2:ツナとパセリの白和え
【1】パセリ1袋はよく洗い、水気を切ってから葉先を摘み取りボウルに入れる。
【2】【1】にツナフレーク(油漬け)1缶(90g)を油ごと入れ、さらに豆腐1/2丁、黒すりごま大さじ2を加えたら、しゃもじで豆腐がなめらかになるまで混ぜ合わせる。仕上げに塩適量を入れて味を調える。
3:バターあずきサンド
【1】バター10gは電子レンジで10秒加熱してやわらかくする。
【2】食パン4枚を用意し、そのうち2枚の片面それぞれに、【1】のバターを半量ずつぬり、塩少量をふる。
【3】【2】のバターをぬった面それぞれに、ゆであずき1/2缶(200g)半量をのせ、バターをぬっていない食パン1枚ずつをそれぞれに重ねて軽くおさえる。
【4】1200Wで1分予熱したオーブントースターに【3】を入れ、表面に軽く焼き色がつくまで2分焼く。
4:いわしのしょうゆ煮炊き込みご飯
【1】米1 1/2合を洗って15分水につけ、ざるに上げて15分置く。
【2】炊飯器に【1】を入れ、水3/4カップ、酒大さじ2、薄口しょうゆ大さじ1 2/3、いわしのしょうゆ煮1缶(150g)の汁を入れて炊く。
【3】【2】が炊き上がったら、いわし缶の身を入れて手早くほぐしてご飯と混ぜる。蓋をして15分蒸らす。
5:いわしの竜田揚げ風
【1】いわしのかば焼き1缶(100g)はタレを切って、両面に片栗粉大さじ1、溶き卵1/2個分、ごま小さじ1の順にまぶす。
【2】フライパンにサラダ油大さじ1を中火で熱し、【1】のいわしの両面を香ばしく焼く。
3:さば黒カレー
【1】フライパンにサラダ油大さじ1、玉ねぎのみじん切り1個分(小~中)、カレー粉小さじ1を入れて中火で炒める。
【2】【1】の玉ねぎがあめ色になったら、にんにくとしょうがのみじん切り各小さじ1、黒すりごま大さじ4を入れてよく炒める。
【3】【2】にさば水煮1缶(150g)を汁ごと入れ、汁気がなくなるまで崩しながら炒める。
【4】【3】に小口切りにしたオクラ2本分とガラムマサラ大さじ1を入れて炒め、塩適量を入れて味を調える。
【5】器にご飯1杯分を盛り、【4】の半量をかける。これを繰り返し、もう1人分も同様に盛りつける。
6:ポーク卵おにぎり
【1】スパム1/2缶(約100g)は2枚にスライスし、煮立たせた湯に入れて1分ゆでたら皿に取り出す。
【2】砂糖としょうゆ各適量を入れた溶き卵1個分でやや甘い卵焼きを作って2等分にする。
【3】手巻きのり1枚の手前半分にご飯50gを広げ、【2】の卵焼き半量、【1】のスパム1枚、レタス適量、ご飯50gの順にのせ、のりで包む。これを繰り返し、もう1人分も同様に作る。
7:ピリ辛さばみそ煮
【1】長ねぎ3㎝分は白髪ねぎにし、水にさらして1分置いたらざるに上げる。
【2】さばみそ煮1缶(150g)は汁を切り、骨にそって縦半分に切り、皿に盛りつける(汁は缶に残す)。
【3】さばにラー油適量をかけ、ごま小さじ1/2と【1】の白髪ねぎをのせる(残った汁は熱湯で倍に薄めれば1人分のさばスープに。白髪ねぎで残った芯の小口切りと白ごまを入れると美味)。
8:白桃のカンノーリ風(8枚分)
【1】ボウルに、リコッタチーズ(またはカッテージチーズ)200gを入れ、白桃缶のシロップ小さじ1/2を加えて混ぜる(みかん缶でもおすすめ)。
【2】【1】に8㎜角に切った白桃1/2缶を入れてさっくり混ぜ合わせる。
【3】ビスケット8枚それぞれに【2】を盛りつける。
9:ひじきと鶏とブロッコリーの炒めもの
【1】フライパンにごま油小さじ2、にんにくのみじん切り小さじ1を入れて中火にかける。
【2】【1】のにんにくに火が通ったら、ひじきドライパック1缶(110g)と、小さめに切ったブロッコリー1~2房(約40g)、焼き鳥(塩味)1缶(75g)を汁ごと入れて3分炒め、鍋肌にしょうゆ小さじ1/2を回し入れてよく混ぜたら、ごま小さじ1をふる。
教えてくれた人
缶詰博士・黒川勇人さん/公益社団法人日本缶詰協会認定の缶詰博士。世界の缶詰に精通。缶詰を使ったバリエーション豊富なレシピに定評がある。主な著書に『旬缶クッキング』(ビーナイス)など。
イラスト/さややん。撮影/菅井淳子 料理・スタイリング/柳瀬真澄
※女性セブン2020年6月4日号
https://josei7.com/