ブームの【さば缶】で認知症予防!すぐ作りたくなるレシピ
「認知症は脳がメタボや糖尿病になっているようなもの。予防するためにもっとも重要なのは、日々の食事を変えること」。
そんなコンセプトのもと、2018年10月に発売された『認知症予防! 脳がよみがえる水煮缶レシピ』。この書籍で料理を担当した舘野真知子さんに、今話題のさば缶を使ったおすすめレシピを教えてもらった。
認知症予防のために毎日摂りたいDHAとEPA
ぐるなび総研主催の「今年の一皿2018年」に選ばれたさば。そのブームを牽引したのが、下処理なしで食べられるさば缶だ。
「さば缶のなかでも、水煮缶は鮮度を落とさないために漁港に水上げされてすぐ、あるいは漁船上で缶詰に加工されることが多いため、新鮮で品質がいいんです。
また、さばには良質のたんぱく質が豊富に含まれていますし、骨まで食べられるのでカルシウムもしっかり摂れます。
たんぱく質は筋肉や血液などの材料、カルシウムは骨の材料。筋肉や骨が衰えて体が動かせないと『フレイル(虚弱)』となり、その状態が続けば認知症や寝たきりのリスクが高くなります。高齢者はもちろん、40歳を過ぎたらたんぱく質とカルシウムの摂取を意識してほしいですね」(以下、「」内は舘野さん)
さらにさばの水煮缶には、認知症予防のために見逃せない栄養がある。
「さばなどの青魚には、人間の体では作れないDHAとEPAという脂質が含まれています。どちらも血液をサラサラにする働きがありますが、DHAは脳の働きを維持するのに有効。認知症予防のために毎日摂ってほしい成分です」
さばそば
「栄養たっぷりのさばの缶汁がだしに加わることで、奥深い味わいに。ねぎや唐辛子などの薬味を効かせて魚の臭みを抑え、簡単なのにお店のような本格的な味に仕上がります」
【材料(2人分)】
さば水煮缶(190g)…1缶
長ねぎ…1/2本
そば…2把
めんつゆ(3倍希釈)…50ml
水…450ml
ゆずの皮(千切り)…適量
一味唐辛子…適量
●作り方
【1】長ねぎは10cm長さに切り、繊維にそって細切りにする。そばは袋の表示通りにゆでる。
【2】鍋にめんつゆと水を入れてわかし、さば缶を軽くほぐして缶汁ごと加え、長ねぎを加えて1分ほど煮てからそばを入れる。
【3】器に盛り、ゆずと一味唐辛子を添える。
さばと白菜のゆず重ね蒸し
「白菜とゆずが旬を迎える冬にぜひ作ってほしい主菜。味付けは塩こうじとさば缶の汁だけですが、しっかり味が決まって失敗しないんです」
【材料(2人分)】
さば水煮缶(190g)…1缶
白菜…1/4個
ゆず…1個
塩こうじ…大さじ2と1/2
●作り方
【1】白菜は4cm幅に切り、鍋にしきつめる。ゆずの皮をむき、千切りにする。
【2】【1】の鍋にさば缶を汁ごと入れ、塩こうじ、水大さじ2(分量外)、ゆずの皮を全体にちらし、蓋をして加熱する。
【3】白菜がしんなりしたら器に盛り、ゆずの果汁をかけていただく。
さばじゃが重ね煮
「肉じゃがのさばバージョン。野菜の皮をむいたら10分ほどで完成しますが、野菜にさばのだしが染み込んで、時短料理とは思えないコクやうまみが引き出せます」
《材料(2人分)》
さば水煮缶(190g)…1缶
玉ねぎ…1/2個
じゃがいも…2個
にんじん…1本
にんにく(みじん切り)…1かけ
小ねぎ(小口切り)…大さじ1
酒…大さじ2
みりん…大さじ1
しょうゆ…1と1/2
●作り方
【1】玉ねぎはたて1cm幅、にんじんは1cm幅の半月切りにする。じゃがいもは1cm幅の半月切りにして水にさらす。
【2】鍋に【1】、さば缶(缶汁ごと)とにんにくを入れ、調味料を加えて蓋をし、沸騰したら弱火で10分間煮る。
【3】器に盛り、小ねぎを散らす。
教えてくれた人
舘野真知子/料理研究家・管理栄養士。栃木で8代続く専業農家に生まれる。 管理栄養士として病院に勤務後、2001年アイルランドに料理留学。帰国後はフードコーディネーター、レストランの初代シェフを務め、現在は「発酵」をキーワードに食の魅力を国内外に伝えるため、多くのメディアで活躍。著書は「きちんとおいしく作れる漬け物」(成美堂出版)、「料理用あま酒、はじめました」(光文社)など多数。
料理写真/三佐和隆士 取材・文/市原淳子
【書籍データ】
『認知症予防! 脳がよみがえる「水煮缶」レシピ』(佐古田三郎・舘野真知子共著/PHP研究所)
いま大注目のヘルシー食材・水煮缶と認知症予防に効果が期待できる食材を使ったメニューで、カンタンおいしく認知症を予防! 大きな文字で読みやすいのもポイント。ごはんやめん、主菜、副菜、作り置きメニューなど全70品を紹介。
価格:1300円+税