認知症予防には脳トレ以上の効果!脳を活性化させる「血管しごき」のやり方
加齢や生活習慣の影響によってダメージを受けた血管はしだいに硬くなり、血液が流れにくくなり「動脈硬化」を起こしてしまう。ところが、血管を“しごく”ことで、血管のアンチエイジングに成功している医師がいる。
『もむだけで血管は若返る』(PHP研究所)の著者で、大阪市立大学医学部名誉教授で健康科学研究所所長の井上正康さんは、現在74才ながら、血管年齢は40代という驚異の血管の持ち主だ。
井上さんの血管年齢の若さの秘訣は、毎日の「血管しごき」という、皮膚の外から血管に刺激を与えるマッサージ術にあるという。
しかも、だれでも、いますぐできるマッサージでありながら、がん予防、免疫力アップ、快眠、頭痛解消、美容効果など、幅広い健康効果があるという。
→血管年齢40代の74才医師が実践する健康法「血管しごき」って?
認知症予防は「脳トレ以上」の効果
「血管しごき」では、自分の手で体の状態を確認しながらマッサージを行うため、「脳トレ」のような効果もあるという。どうしても忙しいという人は、「手」と「頭部」だけでもマッサージすると、脳が活性化し、認知症予防になる。
「昔から、『ピアニストは認知症にならない』といわれています。ピアノは指で弾きますが、手を使うことで脳は3割程度活性化します。さらに、頭や顔にはツボや神経が密集しているので、自分の手で『血管しごき』をすれば、脳トレ以上の効果が望めるのです」
2016年に113才で亡くなった英国の元ピアニストのグラディス・フーパーさんは、112才で股関節の手術を受け、亡くなる半年前にインタビューに答えるほど元気だった。今年4月に99才を迎えた室井摩耶子さんも、現役ピアニストとして活躍中だ。いまからピアニストになるのは難しいが、「血管しごき」ならだれでもマスターできるはずだ。
忙しいときはこれだけ!手と頭の血管しごきのやり方
・片方の手で、反対の手の指を1本つかむ。指の根元から指先まで絞るようにしごきながら引き抜く。すべての指を行う
・両手の指つけ根まで組んだら、左右のどちらかの指を締めつける。締めつけられている方の指を、指の側面をマッサージするようにぐりぐりとしごきながら引き抜く。
・手のひらのつけ根を頬骨の下のくぼみに押し当てる。頬骨を下から押し上げるように刺激。顔の筋肉の血流促進、小顔効果がある。
・頭のてっぺんに両手を重ね、強く押しつけながら前後左右に動かす。頭頂部にあるツボ「百会」と、その周囲にあるツボ「四神総」を刺激する。
・片手を胸に当て、手の甲の上に反対の手のひらを重ねる。重ねた手を胸の方に押しつけながら、ゴシゴシと手の甲をしごくように動かす。
「1日6000歩」歩く
血管年齢マイナス30才の井上さんは、「血管しごき」以外にも「1日6000歩」歩くことを日課としている。
「全身の6割以上の筋肉は腰から下にあります。歩行は筋肉の運動になるだけでなく、歩いた際の振動が脳や体へ刺激として伝わるため、局所的な刺激しか与えないスクワットなどの筋トレよりおすすめです」
歩いて全身が活性化された後は、足の「血管しごき」をするとより効果がある。
散歩の後に!足の血管しごきのやり方
・足指を内側に折り曲げたときにできる足の裏のくぼみ(湧泉のツボ)周辺を、骨に向かって強く押す。
・足指の骨と骨の間を、足首側に向かってしごき、足の甲の血管をほぐす。
食事作りは男子の必須スキル!
さらに井上さんは、食事面でも手を抜かない。
「妻も趣味や仕事で毎日忙しいので、2~3日に1回は私が夕食を準備します。自作の塩麹を毎日食べて、短時間で数種類のメニューを楽しめるように作り置きもしています。料理は現代を生きる男子に必須のスキルです」
教えてくれた人
井上正康さん/大阪市立大学医学部名誉教授。健康科学研究所所長『もむだけで血管は若返る』(PHP研究所)の著者。
イラスト/小山ゆうこ
※女性セブン2020年6月4日号
https://josei7.com/