コロナ対策に…免疫力アップする理想の朝食と生活習慣【まとめ】
免疫を高めるには、免疫細胞が働きやすい環境を整えることも大切。そのためには食事が重要な役割を担っている。
「私たちのカラダは、私たち自身が食べたものから作られています。個人の遺伝的要素も無視できませんが、基本的に、口に何を入れるかで免疫力は高まり、健康で美しく、若々しいカラダに導くことができるのです」(管理栄養士の堀知佐子さん)
堀さんが考える理想の朝ご飯のメニューは以下の通り。
・かぼちゃとわかめの具だくさんみそ汁
・トマトと玉ねぎのサラダ
・かつおの刺身
・果物
・鮭の野菜あんかけ
・玄米ご飯
・肉豆腐
の計7品だ。 肉、魚、豆腐など良質のたんぱく質とともに、海藻、野菜、果物を加えて、食物繊維やビタミン、ミネラルのバランスもよく、計30品目以上の食材が摂れるメニューになっている。
「食事で免疫力を高めるには、免疫細胞の産生にかかわるたんぱく質やビタミン、ミネラルをしっかり摂り、免疫力を発揮しやすい環境を整えることが大切です。バリエーション豊かな食材に加えて、酸味、苦味、辛味などの味わいを考えると、7つのポイントを満たすメニュー作りがしやすくなります」
免疫力をアップさせる7つのポイントをまとめた。
ポイント1:腸内環境を整える
「腸」は人のカラダの最大の免疫器官。免疫力の約7割を司っているといわれている。
「これは、ほとんどの栄養素や成分が、小腸から吸収されるため。腸内細菌の善玉菌を増やし、腸を元気にするのが免疫力アップの近道です。ヨーグルトの乳酸菌やみそなどさまざまな発酵食品や食物繊維を含む食べ物を意識して摂ることが大切です。みそ汁を飲むのもいいですね」(堀さん、以下「」同)
ポイント2:血流を促進する
血流の滞りは、免疫細胞の速やかな異物発見を妨げ、免疫力を発揮する機会を減らしてしまう。
「カラダの隅々まで免疫力を発揮させるためには、血液をサラサラにする食べ物を積極的に摂り、血流を促すことが大切です。にんじんやブロッコリーのβ-カロテン、トマトのリコピン、玉ねぎのケルセチンが有効。アマニ油などオメガ3脂肪酸をドレッシングとして使うのもおすすめ」
ポイント3:粘膜バリアを強化する
インフルエンザウイルスは、鼻や口、のどの粘膜を突破して体内に侵入するため、粘膜の強化は免疫力の増進に直結するともいえる。
「納豆や山いも、れんこんなどに豊富なネバネバ成分に粘膜を強化する効果があります。うなぎやアーモンドに含まれるビタミンB2、かつおやまぐろの刺身に含まれるビタミン B6も皮膚や粘膜の健康をサポートします」
ポイント4:抗酸化を意識する
活性酸素には、体内の有害物質や細菌・ウイルスなどからカラダを守る働きもある。だが、増えすぎると正常な細胞を酸化させ、老化やがんの原因になってしまう。
「酸化を止める抗酸化ビタミンA・C・Eを積極的に摂ることは、免疫力アップにも役立ちます。キウイなどの果物に含まれるファイトケミカルも抗酸化に働きます」
ポイント5:体温を上げる
昔から「免疫力は、体温を1度上げると5~6倍高まり、1度下がると30%低くなる」といわれている。
「カラダを冷やさないよう、冷たい飲み物や食べ物は避け、体が温まるものを食べること。おすすめはしょうがです。焼き魚にしょうがとねぎをたっぷり使ったあんをかけると、カラダが温まるだけでなく、料理も冷めにくくなります」
ポイント6:副交感神経を優位にする
血管や内臓などの働きを調整している自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があり、副交感神経が優位になると、心身がリラックスして免疫力が高まる。
「自律神経を整える成分の1つに、脳や神経をリラックスさせるGABA(ギャバ)があり、玄米や大麦、かぼちゃに多い。豆乳やバナナに豊富なトリプトファンも〇」
ポイント7:免疫細胞を強化する
免疫細胞そのものを強化するには、細胞の主成分であるたんぱく質の摂取が必須。
「肉や魚、豆腐などの大豆製品から良質なたんぱく質を摂ることが大切です。肉や魚にはコレステロールの脂が含まれていますが、これも細胞膜の材料として必要です。良質な赤身肉、牛の薄切り肉を使った『肉豆腐』は、免疫細胞の強化に役立ちます」
教えてくれた人
今津嘉宏さん /西洋医学に漢方なども取り入れて診療。著書は『病気が逃げ出す上体温のすすめ』(ワニブックス)など。
堀知佐子さん/新渡戸文化短期大学客員教授。管理栄養士。食生活アドバイザー。
※初出:女性セブン
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