兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第26回 希望月収は30万円!?】
若年性認知症を患う兄と2人暮らしをするライターのツガエマナミコさんが、日常のさまざまな出来事や巻き起こるハプニングを綴る連載エッセイ。
認知症発症後も働き続けた兄だったが、とうとう退職。失業保険の受給手続きをするために、ハローワークへ。妹のツガエさんも付き添ったのだが…。
「明るく、時にシュールに」、でも前向きに認知症を考えます。

問答無用の認定日
めでたくハローワークデビューとなり、窓口に座ると、年配の担当者は書類を見ながら、身分証明書やマイナンバーの確認をし、付き添いであるわたくしの続柄を確認。「奥様ですか?」「妹です」という下りを経て、ゆっくりとした口調で病気の症状や職歴、これまでの仕事内容などを聞き始めました。
PCを操作して障がい者雇用にどんな求人があるのか、そのリストの一部をプリントアウトしてくれました。見ると「59歳以下」というのが多く、「やっぱりね」と心の声がつぶやきました。それが聞こえたかのように「これはほんの参考で、ほかにもありますから」とすかさず年配のフォローが入り、「いい人だな」と思いました。兄はもう61歳。それだけだって再就職は厳しいのです。
多少なごんだ空気が流れた中、求職の申し込み書類の作成となりました。本人に働く気がなかったとしても職を求めていることにしないと給付金は下りません。