兄がボケました~若年性認知症の家族とのくらし【13回 退職金が出ない!?】
ライターのツガエマナミコさんは、若年性認知症を患う兄と2人暮らし。以前は父母と4人で生活していたが、父は交通事故で、母は認知症を発症し他界した。兄妹、助け合いながら生活する予定だったが、思う通りにいかないことも多く…
「明るく、時にシュールに」、でも前向きに認知症を考えます。

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ガッカリ3連発
兄の反抗期(出社拒否)も過ぎ、平成30年は欠勤もなく、会社の同僚のお話でも「ガクンと悪くはなってないけれど…まぁ徐々にね」という緩やかな下降線が続きました。ある意味、わたくしにとっては平和な時期です。
ただ、会社の方のお話で衝撃をうけたのは、兄の会社が15年以上前に一度倒産し、以来、厚生年金に入っていないと知ったこと。会社の方は全員、社員とはいえ日給月給。みなさま国民健康保険で国民年金。「退職金は出ないと思う」と同僚の方から告げられました。
わたくしは社員だった経験がほぼほぼないので「会社が厚生年金に加入していない」と言われても「本当はダメだけど、世間ではよくあること」程度の認識でした。
「退職金ないのか」と少々ガッカリしたものの「あんなポンコツを雇ってくれているのだからそれでも仕方あるまい」と思っていました。