八千草薫さん がん闘病で「隣人介護」を選んだ生き方
「平成27年国勢調査」によれば、単身世帯の1841.8万世帯のうち、65才以上のおひとりさまは592.8万世帯で、32%を占めている。夫に先立たれ、子供はいない。大切な愛犬と暮らすあの大女優もそのうちの1人だ。
八千草薫さん(88才)、彼女はどのように生き、身じまいをしようとしているのか。おひとりさまの賢い生き方を学ぶ。
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膵臓がんで、6時間を超える大手術を受けた
八千草さんが、膵臓がんと診断されたのは昨年のこと。6時間を超える大手術を受けた。その後、肝臓への転移がわかり、今年2月にはヒロイン役を務める予定だったドラマ『やすらぎの刻~道』(テレビ朝日系)を降板。病気を理由にした降板は、72年間の女優人生で初めてのことだった。
「その後は自宅で静養を続けていました。6月には脚本家の倉本聰さん(84才)の案内で北海道富良野を訪れるほど回復していました。 それが突然体調を崩されたようで…」(八千草の知人)
8月下旬、八千草さんの家から出てきた高齢の女性・Aさんに声をかけると、こう答えた。 「今、八千草さんは入院されているんです…」
「Aさんは、亡くなったご主人の晩年の介護を担当していたヘルパーさんです。昨年のがん手術後、人の手を借りなければ歩けなくなっていた時期に身の回りのお世話を頼んだようです。高齢でひとり暮らしを続けるのは難しく、施設に入る選択肢も考えたそうですが、八千草さんはかなりの人見知り。ご主人と過ごした自宅や愛犬と離れることもできなかった。そこで旧知のAさんに頼んだ。ただ、Aさんもかなりの高齢。それで隣人介護の選択をしたそうです」(前出・知人)