元イタリアンの料理人が腕をふるう介護付有料老人ホーム<後編>
高齢者向けの施設を探す際、情報を仕入れれば仕入れるほど混乱してしまうケースもあるようだ。数多くの施設を見学して、結果どこが良いのか判断がつかなくなってしまう。道端さんによると、そこで心にとめておきたいのが、判断基準を決めておくことだという。食事を重視するのか、家庭的な雰囲気が良いのか、ホテルのような雰囲気でプライベートを重視するのか…などのポイントを決めておいて、見学をするのが良いそうだ。
入居する本人が見学する場合は、道端さんのようなお客様相談員などスタッフと話をして決めるケースが多いそうだ。話をしていくなかで、合うか合わないかが見えてくるという。道端さんも相談を受けていて「お客様と気持ちが通じ合っているな」と感じると、入居が決まるケースが多いという。施設の雰囲気というのは、つまりスタッフの雰囲気なのだ。
そのための人材育成にも力を入れている。毎月受ける研修のカリキュラムも定まっていて、資格試験対策や助成の仕組みがあり、スタッフのスキルアップを会社が応援しているのだ。入社当時は無資格だったスタッフも、ケアマネジャーになりたい、介護福祉士になりたいと意欲を持って働ける環境が整えられている。実際に無資格で週3日ほどのパートで入ったスタッフが、介護福祉士の資格を取得して活躍しているという。
手間暇のかかるフットケアで生活を改善
「チームでのケアがまず大前提です。その上で医療的なケア、介護スタッフが行うケアがあります」
入居してきたときには外反母趾で常に足に痛みがあった人が、丁寧なケアを重ねることで改善したケースも。足に痛みがあるためベッドから降りることも嫌がり、その結果寝ている時間ばかりになっていたという。布団をかけるだけでも痛みがあり、睡眠の質も落としてしまっていたそうだ。
しかし、看護師の行う医療的な爪のケアや介護スタッフのマッサージで徐々に改善し、最終的には痛みがなくなり、睡眠も取れるようになり、ベッドから降りて動こうという意欲が湧いたという。巻き爪がまっすぐになり、足の血色も良くなり、生活の質が向上しているケースなどがあった。こういった根気と手間暇のかかるケアを行うには、人員配置を厚くするなど仕組み作りへの努力が土台にある。
フットケアも、ひとりひとりに時間をかけて向き合っているからこそできることだ。食事を重視し、家庭的な雰囲気を望むのであれば、アルタクラッセ二子玉川は幸せな生活を送るのに十分な環境だといえる。
【データ】
施設名:アルタクラッセ二子玉川
公式WEBサイト:http://www.sc-altaclasse.com/
所在地:東京都世田谷区玉川3-40-21
最寄駅:東急田園都市線・東急大井町線「二子玉川」駅より徒歩約8分
類型:介護付有料老人ホーム
運営主体:セントケア東京株式会社
敷地面積:1255.66平方メートル
延床面積:2507.41平方メートル
室数:50室
入居要件:60歳以上、入居時自立・要支援・要介護
構造:鉄筋コンクリート造5階建
開設年月日:2006年10月1日
料金:1+2
1 入居一時金
<利用権方式>
・終身利用権2520万円~(72か月~)
・短期利用権:420万円~(12か月)
※料金は部屋タイプ・入居時の年齢・階によって異なる
2 月額利用料
自立の場合/28万4610円+その他費用
要介護の場合/28万4610円+介護保険自己負担額+その他費用
撮影/津野貴生
【このシリーズのバックナンバー】
●医療法人が運営するクリニック併設の介護付有料老人ホーム<前編>
●医療法人が運営するクリニック併設の介護付有料老人ホーム<後編>
●個別の機能訓練に対応した介護付有料老人ホーム<前編>
●個別の機能訓練に対応した介護付有料老人ホーム<後編>