首や腕の「ビリビリ・ジンジン」は病気だけじゃない? 整形外科医が教える4つの原因と1分「肩すくめ体操」
首の痛みとともに、首や肩、腕などに「ビリビリ」や「ジンジン」といったしびれの感覚を同時に感じると、何かの病気ではないかと不安になってしまうだろう。『首の痛み・コリ・しびれ 自力でできるリセット法』(アスコム)を上梓した整形外科専門医の吉原潔さんによると、しびれが起こるのは、首や腕、手の神経の異常や、緊張・ストレスが関係していることのほうが多いそうだ。そこで、しびれと解消方法について教えてもらった。
しびれにはいくつかのタイプがある
1つ目のタイプは、「首の疾患」が原因でしびれているケースだ。要因となる首の疾患には、首の骨の間にある「椎間板」が飛び出すことで神経を圧迫する「頸椎椎間板ヘルニア」、加齢などで骨が変形して神経を圧迫・刺激する「頚椎症性神経根症」や「頚椎症性脊髄症」があり、安静時にしびれを感じる場合や、首を動かしたときにしびれが強くなる場合など、症状の現れ方はさまざま。力が入りにくい、細かい作業が難しくなるなどの症状を伴うこともある。
「特に、首を後ろへ反らせたときに、しびれや痛みが強くなる場合や、筋力低下を伴う場合には、整形外科での検査を受けることをおすすめします」(吉原さん・以下同)
手や腕の神経の圧迫でしびれることも
手指や手首、ひじ、または肩から腕にかけて、神経が通る部位で、神経が圧迫されることでしびれが出ることもある。代表的な疾患は「手根管症候群」「肘部管症候群」「胸郭出口症候群」の3つで、手根管症候群の場合は親指・人差し指・中指・薬指の親指側半分にしびれや痛みが生じ、夜間から朝方に痛みが強くなって目が覚めたり、手を振ると楽になったりするという特徴がある。
肘部管症候群は、小指・薬指の小指側にしびれや違和感が生じ、机に肘をつく動作で症状が悪化しやすく、進行すると握力が低下する。胸郭出口症候群は、しびれが小指側を中心に腕全体に広がり、だるさや重さを伴うのが特徴だ。
「腕を上げたときや、長時間同じ姿勢を続けたときに症状が強くなりやすく、肩こりや首の違和感を同時に感じることもあります。手作業や腕をよく使う人、なで肩の人に多くみられます」
内科的な疾患でしびれを伴うこともある
3つ目のタイプは、内科的な病気がしびれを伴っているパターンだ。糖尿病や、脳梗塞・脳卒中などの脳の病気でしびれが生じることがある。
「手足の片側だけに突然強いしびれが起こり、力が入らない、あるいはろれつが回らない、ふらつくといった症状がある場合は、脳梗塞や脳卒中の可能性があります。このような場合は、すぐに医療機関を受診してください」
心因性のしびれもある
4つ目が心因性のしびれだ。ストレスや緊張で自律神経のバランスが乱れると、筋肉がこわばってしまうためだ。
「その結果、痛みやコリが出るだけでなく、手や腕にしびれや違和感を感じることがあります。まずは生活のリズムを整えることが大切です」
しびれをやわらげる「肩すくめ体操」
しびれをやわらげるために吉原さんがすすめているのが「肩すくめ体操」だ。立ったまま1分程度で出来、非常に手軽なのが特徴だ。
《肩すくめ体操のやり方》
【1】背筋を伸ばし、頭を少し上に向ける。
【2】肩を思い切りすくめる。そのまま5秒静止する。
【3】一気に脱力して、肩を下ろす。
【2】~【3】を10回繰り返し、1日に3~5回行う。
「ボート漕ぎ体操」もしびれ改善に効果的
【1】手のひらを下にして、猫背になるように、思い切り前に出す。
【2】手のひらを上に返しながら、肘を後ろにギュッと引く。このとき、しっかりと胸を張る。
これを10回繰り返し、1日に2~3回行う。
「動きはシンプルですが、体がすっきりするものばかりなので、無理なく続けられると思います」
血流が原因の場合は「入浴」や「ウォーキング」を
痛みはなくなったのにしびれがのこっている場合は、血流が原因ということもある。首・肩の筋肉や筋膜が過度に緊張すると血流が低下するが、細い神経が刺激されやすくなり、「しびれに似た感覚」が生じることがあるためだ。こうした場合は、日常生活の中で血流をよくする工夫が大切だ。
「血流をよくし、首や肩の筋肉をほぐすには、お風呂で温かい湯に浸かるのが手軽でおすすめです。ウォーキングなどの軽い運動も、手足の末端まで血液や酸素が行き渡りやすくなります」
教えてくれた人
吉原潔さん/整形外科専門医
よしはら・きよし。整形外科専門医、フィットネストレーナー、医学博士、アレックス脊椎クリニック名誉院長、日本整形外科学会専門医、日整会内視鏡下手術・技術認定医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会(NESTA)公認パーソナルフィットネストレーナー、食生活アドバイザー。運動療法や筋力トレーニングにも精通した医師として、多角的な診療に定評がある。著書に『ドクターズスクワット 医者が考案した「30秒で運動不足を解消する方法」』(アスコム)など。
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