「国民年金だけ」だと介護はどうなる?介護費用ごとの介護サービスの選択肢をFPが解説
介護に充てられる金額によって受けられる介護サービスは変わり、介護にかかる負担も大きく変わってくる。そこで、節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに、どのくらいの介護費用で、どのような選択肢を採れるのか教えてもらった。
教えてくれた人
丸山晴美さん/節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー
22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。
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介護にかかる費用は毎月約9万円
介護費用は家庭によってかなりばらつきがありますが、生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、介護用ベッドの購入や住宅改修などの一時費用は平均約47万円、月額の介護費用は約9万円となっています( https://www.jili.or.jp/files/research/zenkokujittai/pdf/r6/2024honshiall.pdf )。
親の介護費用は、基本的には親の年金や資産から出す場合が多いと思いますが、2023年度時点で、国民年金の平均受給額は月額5万7700円、厚生年金は14万7360円( https://www.asahi.com/relife/article/15091000?msockid=108c37da979b62fb015a207296206364) のため、もし親の年金が国民年金のみの場合は、資産を取り崩すか、子どもが補填する必要があります。
国民年金のみの場合は自宅介護が前提となる
国民年金と厚生年金の両方が支給される場合は、単身者の平均受給額は月額14万7千円で、比較的現役時代の平均年収が700万円以上、加入期間40年間だった場合は、毎月20万円程度の収入が得られます。
資産を頭金にして一般的な老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に入居することも十分に選択肢に入ります。一方、国民年金のみの平均(月額約5.8万円)や資産が少ない場合などは、民間の有料老人ホームやサ高住の月額費用(15万~25万円程度)を賄うのは、資金的に困難であるため自宅介護が第一の選択肢となるでしょう。
特養は安価だが常に空き待ちの状況
特別養護老人ホーム(特養)とも呼ばれる、「介護老人福祉施設」は、原則要介護3以上が対象ですが、他の介護施設と比べて安価であり、10万円程度で入所できるうえ、入居一時金などもかかりません。そのため、国民年金のみの受給者であっても、資産の取り崩しや子供の補填がある前提であれば、入居は選択肢に入るでしょう。
一方で、特養は費用が安いうえサービスも手厚いため、非常に人気が高く、常に空き待ちである点には注意が必要です。基本的には申し込み順ではなく、自治体ごとに審査基準があり、必要性の高い人から入居する形となるため、思っていた以上になかなか入れず、長く自宅介護が続く可能性もあると考えておく必要があります。
介護が始まる前に介護に充てられるお金を確認しておくのがおすすめ
基本的に介護は、お金があるほど負担を減らすことができるもののため、お金に余裕がない場合は、使える補助金などを調べたり、自宅介護と両立しやすそうな仕事に転職しておいたりするなど、早めの準備が必要になってきます。親の年金や資産でまかなうつもりでいたのに、思ったより年金額や資産が少なくて足りないということもあるため、介護が始まる前に、年金額や資産がどのくらいあるのか確認しておくことがおすすめです。
また、お金について確認する際、親本人はどのような介護を受けたいと思っているのか、子ども側もどの程度介護に時間やお金を割けられそうなのかもしっかりと話し合っておきましょう。あらかじめ話し合っておくことで、誰かが無理をし過ぎることのない、納得できる介護をしやすくなります。
取材・文/新藤まつり
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