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《日本では祖母の介護を経験》LiLiCoがスウェーデンのシニアに学んだ“最期まであきらめない生き方”「シワに人生が刻まれている」

 人生の終盤をどう生きるかをポジティブに描いた映画『お終活3 幸春! 人生メモリーズ』が2026年5月29日に公開される。その映画で、主人公のコーラス仲間として出演する映画コメンテーターのLiLiCo(55歳)は、故郷スウェーデンで見てきたシニア層の生き生きとした姿と、日本の介護との違いを指摘する。年齢を重ねることを恐れず、恋愛やおしゃれを楽しむ北欧の価値観や、自身が考える「終の棲家」について語ってもらった。【全3回の第2回】

シワだらけでも背筋が真っすぐ。スウェーデンの大人たちはかっこいい

『お終活』シリーズは、高畑淳子と橋爪功が演じる熟年夫婦が巻き起こす騒動を通して、さまざまなシニアの生き方を描く作品だ。スウェーデンにルーツを持つLiLiCoは、現地のシニア層の生き方から多くのことを学んできた。北欧のマインドを取り入れることで、老後はもっと楽しいものになると話す。

「スウェーデンのシニアはみんな若いんです。日本のシニアは背中が曲がっているイメージがありますが、スウェーデンに住む私の父は背中が真っすぐだし、新しいパートナーも真っすぐ。シワだらけなんですけど、それがすごくかっこいいんですよね。シワに人生が刻まれているんだなと感じます。

 スウェーデン語では『老人ホーム』という言葉がなくなって、『スペシャルホーム』という名前に変わったんです。直訳すると『年を重ねた方の住む場所』という感じで、『老人』という扱いじゃないんですよね」(LiLiCo・以下同)

『お終活3』では、認知症が進んでいく親とその家族の姿も描かれている。介護や住環境の変化はシニア層にとって大きな問題だが、LiLiCo自身もかつて日本の祖母の介護を通じて、環境変化の難しさを痛感した経験があるという。

「年齢を重ねると、環境が変わることで早く年を取っちゃうんですよね。日本の祖母が滑る靴をいつも履いていたから、裏にゴムが付いているモカシン(革製スリッポンに由来する靴)を買ってあげたら、逆に歩けなくなっちゃったことがあって。よかれと思った安全対策が、本人には合わなかったんです。

 一方で、自分の使い慣れた家具をそのまま施設に持っていけるというのがスウェーデン流なんです。施設でもネイルをやったりメイクしたりして、鏡を見たときに『あら素敵』って喜ぶ。あとはワンちゃんが施設を回るセラピーもあって、オキシトシン(幸せホルモン)を出す工夫がされています」

スウェーデンのシニアは、最期まで自分らしく生きることをあきらめない

 さらに、スウェーデンのシニアは年齢を言い訳にせず、最後まで自分らしく生きることをあきらめないのだという。

「あるドキュメンタリー番組で見た99歳の方は、足が痛いと言って足を切断する手術を受けたんです。日本だったら『どうせそんなに長くないから、痛いままでいいかな』とあきらめてしまうかもしれませんが、その方はちゃんと元気になって100歳で亡くなりました。最後まであきらめない姿勢はすごいですよね。

 ホームに入ってから新しい彼氏を見つける人もいます。若いときのような『抱きたい』という感情だけではなくて、『この人と手をつなぎたいな』『一緒に会話をしたいな』という気持ちを大切にする。それに、スウェーデンではみんながみんなの面倒をみます。お医者さんやヘルパーさんだけでなく、入居者同士も助け合って生活するんです」

 日本の介護事情についても、LiLiCoは独自の視点を持っている。80代の祖母と同居し、言葉の壁がありながらも自ら介護に向き合った時期があったからだ。

「日本の施設もいろいろ見に行っているんですけど、いいところに入ろうとすると4000万円以上かかることもあるので、しっかり準備しておかなきゃいけないなと感じます。でも、最近はシェアハウスみたいな施設も日本で増えてきていますよね。独りぼっちになっちゃうと悲しくなるし、特に愛した相手を亡くしたりすると寂しくなるから、そういうシェアハウスっぽい形はすごくいいなと思っています。

 私は18歳のときに、日本でアイドル歌手になることを目指して来日し、80代の祖母の家に身を寄せました。言葉も通じない中で一緒に暮らしていたのですが、最後は祖母が転んで寝たきりになってしまいました。認知症ではなかったので、頭がはっきりしているのに動けないことが、すごく可哀想でしたね。オムツを替えたりもしたのですが、『LiLiCoが一番ヘタ』ってよく言われていました(苦笑)」

日本の介護施設のこれからと、夫を「担げるか」試した結婚当初

 そんな介護のリアルを知る彼女だからこそ、純烈の元メンバーで俳優の夫・小田井涼平(55歳)と結婚した当初、あるテストを実践したという。

「実は、夫と結婚したときに、『この人の介護ができるかどうか』を試したんです。私も背は高い方で168cmあるのですが、あの人は191cmあるんです。そこで、最初におんぶしてみました。『この人を救急車の担架まで運べるかどうか』を試さなきゃいけないと思って。当時は、なんとかおんぶできました。

 私は2020年に左膝蓋骨を骨折して、それからはおぶっていないし、あの人も太っちゃったので運べるか心配ですけど、いざとなったら引きずろうかなと考えています(笑い)」

 映画『お終活3』は、人生最後の選択や家族の在り方を問いかける作品だが、LiLiCo自身は自らの「終の棲家」をどう見据えているのだろうか。理想の環境を求めて北海道に家を購入したという彼女だが、最終的なビジョンは別にあるようだ。

「私は『スウェーデンに戻りたい』と話しています。夫はテレビではあんなにしゃべるのに、家では全然しゃべらないから何も言わないですけど、向こうに家も別荘もあるし、多分、興味はあるんじゃないかな。

 介護がどこまで必要になるかにもよりますが、私はホームに入っても大丈夫ですし、どうなるかわからないから準備はしておかなきゃいけないなと思っています。私のおばあちゃんがすごくかっこよくて、自分のお葬式のためのお金を用意してあったんですよ。『この着物を着ます』『お香典は取らないでくれ、こっちが全部ごちそうするから』って希望も残していて。そういうかっこいい大人たちが私の周りにずっといたから、自分の最期についても冷静に考えられます」

◆タレント、映画コメンテーター・LiLiCo

りりこ/1970年11月16日、スウェーデン・ストックホルム生まれ。18歳で来日し、1989年に芸能界デビュー。映画コメンテーターとして『王様のブランチ』(TBS系)などにレギュラー出演するほか、俳優、声優、歌手など多方面で活躍。夫は純烈の元メンバーで俳優の小田井涼平。映画『お終活3 幸春! 人生メモリーズ』では、千賀子(高畑淳子)のコーラス仲間として出演。

撮影/小山志麻 取材・文/小山内麗香

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