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《「趣味」が広げる交流》69歳オバ記者が”趣味の力”を実感した初対面の人との「街歩き」トークと林家ペーさんから誘われた相撲観戦

 趣味を持つことによって、人との交流が生まれたり、新しい刺激を受けたりすることはよくあることだ。オバ記者ことライターの野原広子氏(69歳)はそんな”趣味の力”を実感することがあった。かつて自身がマネジャーを務めた林家ペーさんから誘われたのは相撲観戦だった。

* * *

「待ち合わせ5分前」ができない

 こんなことってあるのかしら。あの日、新宿の地下道をいつもよりゆっくり歩いていたのにはわけがある。新宿末広亭に出演している林家ペーさんとの待ち合わせ時間に、30分ほど時間があったのよ。私が歳をとったなと思うのはこういう時だ。約束の時間の10分以上前に到着するなんてことは、威張れることじゃないけど、まずなかったんだから。せいぜい5分前で、ヘタしたらギリギリセーフか微妙にアウトか。

 人と待ち合わせする時は時間に余裕をもって、待ち合わせの10分前には到着する。待つ身になっても待たせる身になるな。ええ、耳にタコができるほど聞いてきましたとも。でもそれができない。遅刻癖のせいで何度も悲しい思いをしているのに治らない。そんな人生でした、ということになるのかとどこかで覚悟しかけていたの。

 ところがよ。時間ギリギリに滑り込むには体力と気力がいるのね。なんなら最後の手段、「タクシー!」となると資金力もいる。60過ぎてそのどれもがないことを認めた時、「そうか。5分、10分前に到着しようとするからダメなんだ。1時間前に着いて近くでお茶を飲んでいたらいいんじゃん」と思いついたの。こんなことに気づいたときは前期高齢者になっていましたとさ。

地下道で「疲れ目」の広告に吸い寄せられ…

 そうそう。新宿の地下道の話よ。たらたらと歩いていたら、むむむ。「10分で疲れ目スッキリ」という旗が目に飛び込んできたの。10分ならいけるな。料金も1500円ならいいわ。と考える間もなく、パーテーションの中に吸い寄せられていった私。

 さっそくリクライニングの椅子に座ると、エプロンをかけたスタッフの女性が「中周波で目の奥の筋肉をもみほぐしていきます」といいながら器具を当てていく。おおお、眼の周りの筋肉が震える感じ、いいわぁ。なんて言った覚えはあるけれど、何がどうなったのか、気がついた時はお互い、人には理解してもらえないある趣味で意気投合していたの。それは街歩きだ。それも目的は名所旧跡巡りではない。ただただひたすら路地を歩き回る。スタッフのSさんは言う。「東京23区の主だった道はほとんど歩きました」と。

 そうですか、そうですか。なら私も言うよ。私が決して家賃が安くはない神田に住んでいるのは、路地に魅せられているからよ。東京という街は、再開発とかでビュンビュンと高層ビルを建てているけれど、その足元には江戸時代からの路地が張り巡らされていてね。その道幅はほぼ一緒。マンションから出るとその道があっちにもこっちにも。そうそう。旧道は決まって二車線でね。その道のうねり方が萌えるんだよねぇ。なんて話をしていたら10分はあっという間で別れ際、「また話そう」とLINE交換しちゃった。

 こんな趣味も歩ける足があってこそだ。

林家ペーさんから誘われた相撲観戦

 さて、お次は相撲観戦。数年前から私の周りのイケてる女たちはみんな相撲好きなんだよね。中でも公私共に仲良しのアヤちゃんは「オバ、行こうよ」と誘ってくる。とはいえ、相撲観戦は地方場所を一度見ただけで、それでハマることはなかったの。それよりも「東ぃ〜」という行司さんの声は郷愁そのものでね。新日本紀行、まんが日本むかし話、ヤン坊マー坊と耳の奥の記憶を呼び覚ますんだけどなぁ。

 が、今度ばかりは待ったなし。なんと5月29日に発売される小学館新書の『ヨレヨレ人生漫談』の語り手・林家ぺーさんがアヤちゃんさんと私をご招待してくださるというではないの。しかも枡席だって。

 その話をすると、相撲通は「横綱と大関が次から次に欠場しちゃっているから見どころに欠けるかもよ」と言うんだけど、国技館デビューの私にどうでもいいこと。それよりアヤちゃんよ。いつの間にか翔猿と書かれた手拭いを買ってきて、「翔猿〜」と絶妙なタイミングで声をかけるんだわ。その声があっちからもこっちからもかかって、翔猿が人気力士だということがわかる。

次々と握手を求められるペーさん

 そしていよいよ取り組みが始まったら、「わあああ」「おおおお」「あああ」と場内割れんばかりの声で国技館の空気が揺れる。贔屓の力士がいたら、それは楽しいだろうなぁとちょっと羨ましくなっちゃった。

 それからもうひとつ。ここ半年、しょっちゅう顔を合わせている林家ぺーパー子だけど、この日はあらためてその人気の高さを目撃したわよ。行き帰りの道で「すみません。写真お願いします」とそれこそ老若男女いろんな人が声をかけてきてまっすぐ歩けなくなったほどだ。

 そうそう。そういえばぺーさんもある意味、マニアな人だ。その話は『ヨレヨレ人生漫談』に書いてあります。どうぞよろしく!

◆ライター・オバ記者(野原広子)
1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。2021年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑で、やせたの?』を出版。実母の介護も経験している。

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この記事へのみんなのコメント

  • 小オバ

    オバ記者さんの記事いつも楽しく拝読しています。 文章に人間味あふれた温かみがあり尚且つ面白い。オバ記者さんのご出身の茨城県まで好きになってしまいました。

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