認知症・転倒リスクも高める【加齢性難聴】70代からでもできる「聞く力」改善法を医師が解説
坂田医師が推奨する「耳と脳」の両方にアプローチする方法をまとめた。
【1】クラシック音楽の「ひとつの楽器音」を追う
ピアノなどひとつの楽器に集中し、その音を捉える意識をすると、音を聞き分ける脳の情報処理能力が鍛えられる。1日15分以上の実践で効果あり。
【2】ニュースの字幕に頼らない
目から入る情報に頼らず「音声」で情報を得る意識をすると、脳が活性化し情報処理能力がアップ。聞き取った内容をメモにするとより効果的。
【3】1.5〜2倍速で動画を視聴する
ニュースなどを録画し、1.5~2倍速で聴く。脳の本来の能力が引き出され「聞こえが良くなる」「聞き取りがラクになる」効果が期待できる。
【4】外出先で「音」を意識する
外出時は鳥の声や風の音、自分の足音を聞き取る意識を。騒々しいなかでも小さな音を聞き分けるトレーニングになる。救急車のサイレン音が「どこから聞こえるか」なども意識。
【5】井戸端会議をする
「話す」「聞く」「考える」を同時に行ない脳を刺激。おしゃべりの相手は、毎日会話する家族以外(男性と声のトーンなどが違う女性を含む)が望ましい。
【6】耳掃除をしすぎない
耳の中に傷がつく、耳垢を押し込んで「耳垢栓塞」を引き起こすと「伝音難聴」のリスクが高まり、加齢性難聴の人はさらに聞こえにくくなる。
【7】大きな音を避ける
地下鉄車内の騒音などに一定時間晒される場合は、ノイズキャンセリングイヤホンを使うなどする。掃除機やヘアドライヤーの音も要注意。
【8】カフェインを控える
コーヒーや緑茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインを摂りすぎると、脳や内耳の神経を刺激(血流が悪化)し、難聴を悪化させる可能性がある。
【9】ビタミンB12が豊富な食材を毎日摂取
アサリやシジミなどの貝類、サンマやイワシなどに含まれるビタミンB12には、聴覚と平衡を司る「内耳神経」の修復、機能維持の効果が期待される。
【10】亜鉛が豊富な食材を毎日摂取
体内で生成できない亜鉛が不足すると「内耳に悪影響を及ぼす」との報告がある。牡蛎やカタクチイワシの煮干し、豚レバー、納豆、乾燥ワカメなどを積極的に摂取し機能を維持。
【11】補聴器の使用を躊躇わない
QOL低下や認知症予防のためにも、専門医の判断で補聴器の利用を提案されたら躊躇わず「メガネ」感覚で着用を。近年の補聴器は高性能化し、装着がわからないデザインも。
イラスト/河南好美
※週刊ポスト2026年5月22日号
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