認知症・転倒リスクも高める【加齢性難聴】70代からでもできる「聞く力」改善法を医師が解説
聞こえが悪くなると、つい耳掃除をしたくなるが、かえって逆効果の場合もあるという。
「耳掃除をしすぎると、耳の中を傷つけてしまい、細菌が入って『外耳炎』になることがあります。悪化すれば『伝音難聴』に繋がることがあり、加齢性難聴がある人はより聞こえにくくなる可能性もある。耳には自浄作用があり、耳垢は自然に入り口付近に押し出されるので、耳掃除は避けるほうがいいのです」
耳にアプローチする方法で坂田医師が推奨するのが、マッサージなどで耳や脳への血流を良くすることだ。
「耳の裏や耳周りにある胸鎖乳突筋や咬筋、側頭筋が硬くなると、耳や脳への血流が悪くなり、聞こえにも悪影響が及ぶと考えられます。それらをマッサージでほぐすことにより、血流に乗って十分な酸素や栄養が内耳の有毛細胞や脳に行き渡り、先に紹介した脳の情報処理能力を鍛えるトレーニングの効果を高めることが期待できます」
具体的なマッサージ法をまとめたのでぜひ実践してほしい。
「それでも聞こえが悪化したら、認知症予防のためにも補聴器を使うことが選択肢です。抵抗感を示す人が多いのが現実ですが、近年の補聴器は性能が進化しており、デザインも豊富。装着しても周囲にはわかりづらいものもあります。専門医に提案されたら、恥ずかしがらずメガネと同じ感覚で使ってほしいですね」
失われた聴力は戻らなくても、日常の工夫次第で「聞こえにくさ」を克服することは十分可能だ。
さすって、ほぐして「聞く力」を鍛える!『1日1分の超ラクちん「坂田式」耳マッサージ』
【1】咬筋(こうきん)マッサージ
咀嚼筋のひとつである「咬筋」まわりの緊張をほぐし、難聴・耳鳴りを予防!
<やり方>
両手の人差し指、中指、薬指を頬骨と下顎の間、口の両脇に当て、小さい円を描くように10回動かす(ワンセット)。朝晩1セットずつ。
【2】耳裏ほぐし
耳や脳への血流を改善し、耳の聞こえをサポートする器官の機能を維持!
両手の人差し指、中指、薬指を耳裏の「胸鎖乳突筋」の付け根に当て、小さい円を描くように優しくほぐす。1分1日1回。
【3】側頭筋マッサージ
咬筋と同じく咀嚼筋の「側頭筋」まわりのマッサージ。耳や脳への血流を促し、酸素や栄養を行き渡らせることで、「聞こえ」に関係する脳の情報処理能力を強化!
<やり方>
【1】両手を側頭部に当て、こめかみを円を描くよう10回マッサージ。続いて耳の真上を同様に20秒マッサージ。
【2】両手をうなじに当て、指の腹で円を描くよう20秒マッサージ。
※【1】【2】を1セットとする。朝晩1セットずつ。
