【老眼・白内障・緑内障・加齢黄斑変性】“加齢で増える目の病気”を防ぐ生活習慣 100才まで見える目を守る方法を医師が解説
日本人の失明原因1位である緑内障は、眼圧が高くなることで視神経が圧迫され、視野が狭くなったり部分的に見えなくなる病気だ。
「40才以上で5%、70才以上では10%以上が罹患しているとされます。一度欠けた視野は元に戻らないため、予防と早期発見が極めて重要です」
両眼で見ていると視野が欠けていることに気づきにくいことも緑内障の怖いところだ。
車を運転中に歩行者を見落としそうになった、人ごみを歩いていてよく人にぶつかった、新聞の同じ行を読んだり行を飛ばしたりした、といった人は緑内障を疑う必要があるという。
緑内障の予防の鍵のひとつは睡眠だ。米国の調査によれば、睡眠時間が3時間以下では緑内障のリスクが3倍、10時間以上ではリスクが3.4倍になるという。
「韓国の研究でも睡眠時間が6~8時間の人に比べて、5時間未満、9時間以上の人は緑内障になりやすいという結果が出ています。
寝すぎがいけないのは、睡眠中は体内の水分が頭のほうに寄りやすく、眼圧が上がりやすいため。また、夜間にスマホを長時間使用していると交感神経が刺激されて睡眠の質が低下し、目の神経細胞のダメージが回復しきらないため、緑内障のリスクが高まります」
就寝時に「うつ伏せ寝」を避けることも大切だ。
「うつ伏せになると水晶体が下がり、眼球の中の水の流れが悪くなって眼圧が上がります。日中眠くなった時に机に腕枕で突っ伏す人もいますが、これも非常に危険。眼圧が上がるだけでなく、腕で眼球を押して、目の神経細胞にダメージを与えかねません」
予防に役立つ生活習慣のひとつがコーヒーを飲むこと。
「2020年11月に京都大学の研究グループが緑内障ではない約9400人のデータを分析したところ、1日3回以上コーヒーを飲む人は1回未満の人に比べて眼圧が低かったと報告しました。
一方、海外の研究では緑内障の人がカフェインを1日に大量摂取すると眼圧が上昇するという報告や、緑内障の遺伝的要素がある人は1日4杯以上のコーヒーで眼圧が高くなるという研究結果もあります。
緑内障を発症していない人に対しては、『1日3杯まで』のコーヒーが緑内障予防につながる可能性があると言えるでしょう」
運動習慣も意識したい。海外の研究では定期的な運動によって眼圧を下げる可能性が報告されており、平松医師自身も「週3回以上、ウォーキングなどの有酸素運動を30分以上行なっている」という。
さらに緑内障予防に効果的だと言われているのが、「ガボール・アイ」だ。
「ノーベル物理学賞受賞者のデニス・ガボール博士が考案した特殊な縞模様の画像を用いた視力回復法です。目から入った情報を処理する脳の機能を高めることで視力の改善が期待できます」
1日3~10分ほど集中して行なってほしい。
平松医師も実践!「ガボール・アイ」のやり方
【1】好きな縞模様(ガボール・パッチ)を1つ選ぶ。
【2】選んだ模様と同じ縞模様を全部探し出す。
【3】全部見つけ終わったら、別の縞模様を選んで同様に繰り返す。
※【1】~【3】を1回につき3~10分を目安に行なってください(平松医師)。
100才まで見える!平松式メソッド【緑内障編】
<兆候>
●運転中に歩行者を見落としそうになった。
●人ごみを歩いていて、よく人にぶつかった。
●新聞の同じ行を読んだり、行を飛ばしたりした。
【メソッド1】就寝前にスマホを見ない
暗い夜のスマホの長時間使用で、より老眼が進む。また、画面の光によって睡眠の質が低下し、目の神経細胞が睡眠中に回復しきらずに緑内障になる可能性もある。
【メソッド2】6時間以上の睡眠を取り、8時間までにとどめる
米調査で緑内障リスクが3時間以下は約3倍、10時間以上は3.4倍になる。韓国の研究でも睡眠時間6~8時間に比べて5時間未満、9時間以上だと緑内障リスクが上がる。
【メソッド3】1日3杯コーヒーを飲む
1日3回以上飲む人は緑内障の原因とされる眼圧が低いとの研究結果がある。ただし、1日4杯以上で眼圧が上がるとの報告も。糖分は摂りすぎないようブラックで。
【メソッド4】週3回30分以上のウォーキングをする
海外の研究結果で定期的な有酸素運動は緑内障の原因とされる眼圧を下げる可能性がある。激しい運動は逆効果になる場合もあるので、1回30分、週3回程度を目安に。
【メソッド5】机に突っ伏して寝ない&うつ伏せ寝をしない
うつぶせ寝は眼球中の水晶体が下がり、緑内障の原因とされる眼圧が上がる。また、腕枕で眼球を押すことを繰り返しても目の視神経がダメージを受ける可能性がある。
【メソッド6】1日3分「ガボール・アイ」を実践する
ノーベル物理学賞受賞者のデニス・ガボール博士が考案した特殊な縞模様画像を用いた視力回復法で、1日3~10分ほど集中して行なう。
「加齢黄斑変性」は目の生活習慣病。持病がある人ほど発症リスクが高い
最後のひとつは加齢黄斑変性。網膜の中心にある黄斑に老廃物が蓄積することで物が見えにくくなり、「目の生活習慣病」とも呼ばれる。
「高血圧、脂質異常症、糖尿病などの持病がある人はリスクが高く、男性のほうが発症しやすいとされています」
景色の真ん中だけ霞んで見えた、新聞の株価欄の中心の線が歪んで見えた、といった異変が現われたら要注意だ。
「パソコンなどによる光刺激を長く受け続けないこと、急性のストレスを避けること、そして食事によって血圧やコレステロール値、血糖値をきちんとコントロールすることが大切です。
特にビタミンA、C、Eを多く含む緑黄色野菜を意識して食べると予防効果が高いとされています。マルチビタミンのサプリメントを活用するのもいいでしょう。ほうれん草とブロッコリーなどに豊富に含まれるルテインには強い抗酸化作用があり、加齢黄斑変性だけでなく白内障や緑内障も含めて目の病気予防に役立ちます」
一方、平松医師は検査の重要性も指摘する。
「近赤外線を使って網膜やその奥にある視神経などを三次元的に捉えるOCT(光干渉断層計)検査では、緑内障や加齢黄斑変性をごく初期の段階で発見することが可能です。40才を過ぎたら2年に1度、70才以上は毎年OCT検査を受けましょう。受診するならOCT検査ができる眼科医院を選ぶといいでしょう」
100才まで見える!平松式メソッド【加齢黄斑変性編】
<兆候>
●景色の真ん中だけ霞んで見えた
●新聞の株価欄の中心の線が歪んで見えた
【メソッド1】マルチビタミンのサプリを摂る
加齢黄斑変性、白内障などの予防には抗酸化作用のあるビタミンA・C・Eを含む緑黄色野菜がいいとされる。毎食が難しければサプリで補う。ビタミンAは緑内障リスクも下げる。
【メソッド2】ほうれん草とブロッコリーを意識して食べる
ほうれん草やブロッコリーなどに豊富な抗酸化作用のあるルテインは、紫外線から目を守る「天然のサングラス」とも呼ばれる。緑内障の予防に有効との研究結果も。
イラスト/河南好美
※週刊ポスト2026年5月22日号
