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健康

「尿もれ・頻尿の改善」「ぽっこりお腹の解消」【骨盤底筋】を鍛える1日3分、ながらでできるトレーニング4選【理学療法士解説】

「最近、尿もれや頻尿が気になる…」。その悩みの背景にあるのが、骨盤の底で内臓を支える「骨盤底筋」の衰え。実は、排泄トラブルだけでなく腰痛や姿勢の悪さの引き金になることも。健やかに過ごすために今すぐ知っておきたい骨盤底筋の鍛え方を紹介する。

教えてくれた人

田舎中(たやなか)真由美さん/理学療法士、延べ2万人以上を指導する「骨盤底」のスペシャリスト。リハビリ・コンディショニング施設『フィジオセンター』(東京都港区)センター長。最新刊は『骨盤「底」活 キュッと締めて、しなやかに支える』(運動と医学の出版社)

インナーマッスルと連動して動く「骨盤底筋」

 骨盤底筋の働きについて、理学療法士の田舎中真由美さんが解説する。

「骨盤底筋は体幹のいちばん下にあり、恥骨から尾骨にかけてハンモック状に張り巡らされた筋肉群の総称です。内臓を支え、尿道や肛門、腟の開閉をコントロールしています(図1参照)」(田舎中さん・以下同)

「骨盤底筋」はどこにある?

 骨盤底筋は骨盤の底にあり、膀胱や子宮、直腸などの内臓を支え、排泄をコントロールしている筋肉群。いくつもの筋繊維が何層にも分かれて複雑に走っており、股関節まわりのインナーマッスルとも連動して動いているため、この筋肉群が衰えてゆるむと姿勢も悪化し、内臓の下垂などが起こる。

「ながら運動」で若々しい体を取り戻そう!

 見えない部位にある、まさに「縁の下の力持ち」だが、出産や加齢でその働きが低下していくという。

「くしゃみやせき、重い物を持ち上げるなどの動作をすると、腹圧(お腹の中の圧力)はズシンと下にかかります。その圧を受け止めるのが、しなやかで弾力のある骨盤底筋。トランポリンのように跳ね返すことで内臓の下垂や排尿を制御しています。しかし、妊娠や出産でゆるんだり、加齢で柔軟性がなくなったりすると、骨盤底筋は腹圧を跳ね返しきれず、絶えず負担がかかった状態に。排尿コントロールがうまくいかなくなるのはそのためです」

 骨盤底筋を鍛えることは、尿もれや頻尿の改善だけでなく、ぽっこりお腹の解消や姿勢の安定にもつながる。

「骨盤底筋まわりのインナーマッスルが正しく働くようになり、腹圧も安定。体幹がしっかりしてぽっこりお腹が引き締まり、体がしなやかになるほか、疲れにくくなり、腰痛改善も期待できます。腟や尿道は鍛えられませんが、それらを支える骨盤底筋が鍛えられていれば骨盤内の血流がよくなり、硬くなった腟や尿道をサポートできます」

「年だから」と放置せず、日常動作の改善や簡単なトレーニングで骨盤底筋を鍛えよう!

1日3分トレーニング+日常動作で「骨盤底筋」を鍛える!

 骨盤底筋を鍛える方法は簡単。好きなタイミングで「寝ながら」「音楽を聴きながら」骨盤底筋に意識を置き、呼吸するだけ。股関節まわりの柔軟性アップやインナーマッスルを鍛える効果もあり、「動くのが楽しくなる」体に近づくチャンス!

【STEP1】股関節と骨盤底筋の柔軟性を高める「ハッピーベイビーストレッチ」

 まずは、ヨガのポーズを応用した骨盤底筋のストレッチから。「骨盤底筋が硬いと力の入れ方がわからないでしょう。この体勢は骨盤底筋が上を向くので、呼吸をするたびに空気の通り道を感じられ、骨盤底筋群が動く感覚を掴みやすくなります」(田舎中さん・以下同)。

<手順>

【1】仰向けになって両ひざを曲げ、足裏と骨盤底を天井に向ける。両手を伸ばし、足の内側から外側に向けて足裏を掴む。

【2】「ゆっくりと鼻から吸い、口から吐く」腹式呼吸を10回行う。呼吸のテンポは自分が楽にできる速度でOK。息を止めないようにリラックスして行おう。

【STEP2】骨盤底筋の動きが悪い人は必須!基本の「骨盤トレーニング」

「仰向けで寝たままどこでも行える基本の『き』のトレーニング。骨盤底筋の動きを意識しながら行います。慣れたら横向きで行ってもOK。うまくできない場合は、バンザイをするように両手を頭の上に伸ばして行って。楽にできるようになったら、力を入れる→抜くを素早く10回繰り返したり、骨盤底筋に力を入れたまま10秒キープ(呼吸は止めない)するなど、次のステージにチャレンジを」

<手順>

【1】仰向けに寝て下腹部に両手を当てる。ひざはこぶし1つ分開いて立てる。息を軽く吸う。

【2】息を吐きながら腟を引き上げるように骨盤底にキュッと力を入れる。呼吸のテンポは自分の好きな速度でOK。【1】【2】を10回1セットとして2〜3セット行う。

【STEP3】“壁”の筋肉をあわせて鍛えて体幹を整える。応用編「骨盤底筋+腹横筋トレーニング」

 側腹の深層部にある「腹横筋」をあわせて鍛えるとクッション作用が高まり、骨盤底筋も安定するという。「骨盤底筋を床にたとえると、腹横筋は壁に当たる部分。ここを一緒に鍛えると骨盤底筋が内側から支えられるのに加え、体幹や姿勢が安定し、腰痛予防にもなります」。

<手順>

【1】ひざは腰幅に開き、四つん這いの姿勢でひじを床につく。

【2】下腹部を軽く凹ませる。このとき、骨盤底も持ち上がることを意識する。

【3】下腹部を凹ませたまま、胸で浅く呼吸を2〜3回(約10秒)行う。【2】【3】を2〜3セット行う。

【STEP4】腰痛に悩む人にもおすすめ。「骨盤底筋を鍛える立ち方・座り方」

「ソファなどの低い椅子から背中を丸めて『よいしょ』と立ち上がったり、ドスンと座ったりすると、骨盤底筋に大きな負担がかかります。それを防ぐには、みぞおちと恥骨の距離を保ちながら股関節(ビキニライン)を使って立ち座りすること。しゃがむときも同様です。ふだん意識して立ち座りをすることで腰への負担も軽減されます」

<手順>

【1】動き出す前に骨盤底筋に力を入れたら、股関節から前傾する。このとき、みぞおちと恥骨の間に距離があるように(腰を丸めると距離が縮まる)。

【2】そのまま股関節を支点に立ち上がる。座るときは股関節からお尻を落とし、太ももの裏から椅子に座る。

イラスト/いばさえみ 取材・文/佐藤有栄

※女性セブン2026年4月16日・23日号

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