薬に頼らず生活習慣病に立ち向かう!日本初「薬やめる科」医師が語る、糖尿病・脂質異常症の減薬と断薬の目安
松田史彦医師への取材をもとに『日経メディカル処方薬事典』を参考にして糖尿病治療薬・脂質異常症治療薬の「やめやすさ」と「やめ方のステップ」を作成。医療用医薬品の内用薬(のみ薬)を抽出し、薬は分類ごとに処方薬事典で表示される順に記した。やめやすさの○は「やめやすい」、△は「条件付きでやめやすい」を示している。
<糖尿病治療薬>やめやすさ:△
【SU薬】(主な販売名:アマリール、オイグルコン、グリミクロンなど)
【ビグアナイド薬】(主な販売名:メトグルコ、グリコランなど)
【DPP-4阻害薬】(主な販売名:グラクティブ、ジャヌビア、エクア、ネシーナ、トラゼンタなど)
アメリカ・カナダで行なわれた大規模試験では、薬と糖質制限によってHbA1cを6.4%以下と厳格にコントロールした患者群の総死亡率が、HbA1cを7.5%と緩くコントロールした患者群よりも22%増加した。この結果から、血糖値はやや高めでも問題はないと考えられており、必ずしも血糖値を正常範囲まで下げる必要はない。問題は血糖値の急激な変動で、薬に頼らなくても、ゆっくり時間をかけて毎回の食事を食べるだけでも食後の急激な血糖値の上昇は防ぐことができる。
<糖尿病治療薬のやめ方>フローチャート
【ステップ1】炭水化物や芋類を減らす、緩めの糖質制限を実践する
糖分や炭水化物、芋類などを減らす、緩めの糖質制限を実践する。過度な糖質制限はエネルギー不足を招くため、ミネラルが豊富なハチミツなど良質な糖分をほどほどに摂取。
【ステップ2】適度な有酸素運動で「インスリン抵抗性」を改善
体内のブドウ糖や脂肪をエネルギー源として消費すると血糖値が下がる。有効なのが適度な有酸素運動。血糖値を下げにくくする「インスリン抵抗性」も改善する。
【ステップ3】HbA1c(ヘモグロビンA1c)が6%未満で安定すれば減薬開始
減薬の目安はHbA1c(ヘモグロビンA1c)が6%未満で安定したら。食事制限と運動でここまで下がることは多い。複数種類を服用している人はまず1種類減らすことから始める。
<脂質異常症治療薬>やめやすさ:◯
【スタチン系薬】(主な販売名:メバロチン、リポバス、クレストール、リバロ、リピトールなど)
【フィブラート系薬】(主な販売名:ベザトール、トライコア、リピディル、パルモディアなど)
離脱症状はほぼなく、やめやすい。スタチン系、フィブラート系約のどちらも、筋肉が溶ける横紋筋融解症の副作用がある。薬でコレステロール値を下げると、病気が増えるというデータもある。
<脂質異常症治療薬のやめ方>フローチャート
【ステップ1】「家族性高コレステロール血症」かどうか確認する
基本的に血中コレステロール値は高くても気にする必要はないが遺伝性の場合は注意。300人に1人といわれる「家族性高コレステロール血症」かどうかを確認する。
【ステップ2】生活習慣の改善で血圧、血糖値が基準値範囲内に
家族性高コレステロール血症でなければ、減薬や薬の減量は可能。食事や運動などによる生活習慣の改善で血圧と血糖値が基準値範囲内になることをめざす。
【ステップ3】動脈硬化が進んでいなければ断薬へ
まず減薬や薬の量を減らすことから始める。血圧、血糖値が基準値範囲内で動脈硬化も進んでいなければ、断薬を検討する。
写真/PIXTA
※週刊ポスト2026年1月16日・23日号
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