「肩こりがひどい…」で病院を受診したら更年期障害が原因だった──肩専門の整形外科医が解説する「じゃないほうの肩こり」
【50歳女性のケース】女性はこりや痛みに悩むことも多い
Hさんは最近、急に肩こりがひどくなりました。これまでもデスクワークをした夜に肩がこるのを感じたことがありましたが、ストレッチや適度な運動ですぐ解消できていました。
しかし、ここ数カ月で肩こりが急激に悪化し、首や腰にも痛みを感じるようになったそうです。夜の眠りも妨げられることがあり、イライラや不安感が増してきて、日常生活に支障をきたすようになってしまいました。
それで「これはただの肩こりではないかもしれない」と考え、以前、肩脱臼の治療でご縁があった私に相談に来てくれました。
症状を詳しく聞き、「急に肩こりが増えた原因に何か思い当たることはありますか?」と尋ねると、「関係ないかもしれないけれど、最近は生理不順で、ほてりなど、いわゆる更年期ってやつかもしれません」とHさん。
私が更年期障害と骨格筋系症状との関連について説明すると、「自分の不快な症状がすべてつながった気がします」と話していました。
その後、Hさんに婦人科を紹介したところ、更年期障害の検査を受け、エストロゲンの低下が確認されて、更年期障害と診断されたそうです。
治療としてホルモン補充療法を始め、生活習慣の見直しも行いました。運動やリラクゼーション法も習慣にし、体調は徐々に改善していきました。
肩こりや首の痛みも和らぎ、睡眠の質も向上したとのこと。「自分の身体の変化に敏感になり、専門家に相談することの大切さを実感しました」とHさんは話しています。