脳トレは認知症予防に効果がない? 医師がすすめる有効な予防法は“外出”、その理由とは
これまで脳細胞は加齢とともに減少する一方だと考えられてきたが、近年の研究で記憶を司る海馬には、神経細胞を新たに生み出す幹細胞が存在することが判明。つまり、脳を使うことで減った神経細胞を増やすことができる可能性があるのだ。
「難聴や白内障など、耳や目からの刺激が乏しくなると、認知症の進行を早める可能性もあります。補聴器をつけたり、白内障の手術を受けることも、症状の進行を鈍化させる手立てになります。
ほかにも、散歩などの運動で脳に刺激を与えることや、部屋の花を1週間に1度変えるなど、視覚や嗅覚に刺激を与えることも、認知症予防におすすめです」
さらに、新たな趣味を見つけることは、最もよいことだと話す。
「趣味が刺激になるだけでなく、そこで仲間ができて会話の機会が増えたら、脳はぐんと活性化します。仲間たちと旅行に出かける機会ができたら、こんな理想的なことはないでしょう。つまり、人生を楽しむことが認知症予防にも寄与するということです」
認知症予防に有効な食べ物3選
橋本さんは、認知症予防に有効な食べ物もあるという。おすすめの3つを教えてもらった。
【1】納豆
血液を固めたり、溶かしたりする効果のあるナットウキナーゼという成分があるため、脳出血や脳梗塞のリスクを抑えられ、それらによって起こる血管性認知症の予防につながる効果をもたらす。
さらに、脳の神経細胞を健康に保つ働きがあるポリアミンという成分も含まれ、血管性に限らず認知症予防に効果的。
【2】緑黄色野菜
ほうれん草やブロッコリー、かぼちゃ、ピーマン、パプリカ、トマトなどの緑黄色野菜には抗酸化物質が豊富。
米国神経学会(AAN)の論文によれば、血液中の抗酸化物質(ルテイン、ゼアキサンチン、β-クリプトキサンチン)が高いと認知症のリスクが低いとされている。
【3】海藻類
食物繊維が豊富な昆布やわかめなどの海藻類により、腸内環境が整うと脳の神経細胞を壊す化学物質が体内で作られるのを抑制し、認知症のリスクを抑えられるという研究報告がある。
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