「話が通じない」ときの解決法をスウェーデンの研究者がズバリ!「問題ではなく“解決策”に目をむける」「“前向き”な言葉で会話を終える」
会議や会話を終えるときは、あらゆる点をわかりやすくまとめよう。そうすれば、参加者が正しい理解を共有できる。
たとえば、発言の内容をいくつかの文章に要約する、行動計画を立て、責任を持ってフォローアップをする。そうすれば、そこでの発言や、今後は何をすべきかが明確になり、誤解があってもすぐに解消できる。
どんな質問が出たか? 要求は何か? 解決策は? まだ疑問のある人はいるか? 誰が何をするのか? 期限はいつまでか? フォローアップはいつ行うのか? 次の面談や情報交換をするのはいつか? そうした要素を、どの参加者も同じように理解したかどうか確かめよう。
誤解があればすみやかに、できるかぎり解消し、全員が同じものを共有して会話を終えるようにしよう。なぜなら、誰もが独自の内なる世界で生きているからだ。そのため、1つの発言に対して、それぞれが独自のとらえ方をするということも起きてしまう。
言葉は、私たちの頭のなかにイメージをつくり上げる。そのイメージは、自分の内なる世界がどんなものかや、それまでの人生でどんな体験をしたか、その言葉から何を連想するか、といった要素が相まってつくられる。
私たちは、そのイメージをとおして、他者の発言を解釈している。私たちの現実は、自分の解釈によってつくられるのだ。
たとえば会議が終わったとき、ある出席者がこう言う。「うーん、たいした情報はなかったな」。ところが、別の出席者はこう言うかもしれない。「今日は、情報が盛りだくさんだったな」。
同じ話を聞いていたのに、それぞれが独自の解釈をする。議題が何であれ、大小どんなことでも、私たちは常に独自の解釈をしている。だからこそ、全員が同じ認識を持っているか確かめ合わなければいけない。たとえば、「私は……というふうに理解しました。あなたも同じですか?」などと訊くのだ。
私たちの内なるワニは、こうした明快さを好む。また、こう言われると自分が尊重されていると感じるし、同じイメージを共有しているかどうかの確認にもなる。
「前向き」な言葉で終える
ポジティブな感情とともに会話を終えるには、どうしたらいいだろう?
最後に生じた感情は、会話が終わってからも残りつづける。あなたは、その感情とともにその場を去る。できるだけよい感情を残して会話を終わらせるには、共感の気持ちや、ポジティブな言葉、解決志向の姿勢などをしっかり示そう。
相手が希望すれば、話し合いを継続できることも伝えよう。何か疑問が生じたら連絡をください、と言うのだ。そうすれば、その話し合いが完全に終わっていないことが暗に伝わる。
特に、相手が同じ発言を何度も繰り返したり、意見が合わなかったり、ネガティブな発言があったりすると、そこで話し合いを終わらせるのは難しい。そんなときは、今後も話し合いが続けられることを言葉で伝えよう。すぐに結論を出さなくてもいいことを、相手にはっきり示すのだ。
たとえ話し合いを続けられるのが当たり前でも、言葉でそれを伝えることが大切だ。わかりきったことでも、それを「有効にする」ために言葉で示さなければならない。
会話を終えるときは、ポジティブな言葉や、親しみのある声のトーンを用いよう。あなたがその会話を重視し、今後も話し合いたいと思っていることを相手に示そう。また、そうした会話の機会を持ててありがたいと思っていることも伝えよう。それにより、相手はあなたに注目され、承認されたと感じるはずだ。
相手の喜ぶ言葉をかけたり、角の立たない柔和な言葉を用いたりするのは、些さ細さいなことに思えるかもしれない。だが、違う。こうした言葉は、脳の一部を活性化させる。
その結果、情報をよりスムーズに受け入れ、相手を思いやり、その状況や自分をポジティブにとらえられるようになる。