「寝たきりになる人・ならない人の」生活習慣5つのNG事例を専門家が解説
【1】朝の過ごし方
<寝たきりになる人のNGな習慣>
夜型で、朝、目が覚めても布団の中でダラダラ。日焼けするのも嫌だから、家の中でなるべく日光を避ける生活をしている。
「骨を強くするビタミンDは、日光を浴びることで活性化されるため、日光を浴びないと骨がもろくなります。また、目が覚めているのにいつまでも布団にいると、日中も頭がボーッとして体を動かすのが面倒になり、動かないという悪循環にハマります」(角田さん・以下同)
<寝たきりにならない人のOKな習慣>
決まった時間に起きてカーテンを開け、日光を浴びる。
「骨のためにも、最低、朝10〜15分は日光を浴びましょう。そのとき、軽く体を伸ばすなど簡単なストレッチを取り入れると目覚めもよくなります」
【2】午前中の過ごし方
<寝たきりになる人のNGな習慣>
朝、菓子パンを食べるだけ。何も食べない日も多い。
「菓子パンなどの砂糖を多く含む食品の過剰摂取は、脂質異常症といった病のリスクを高めます。面倒だといって朝食を摂らないとエネルギー不足になるほか、血糖値の急変動などを起こしやすくなります」(中村さん・以下同)
<寝たきりにならない人のOKな習慣>
バランスよく食べ、たんぱく質や野菜多めの食生活を心がけること。
「特に筋肉の材料となるたんぱく質は1回の食事で必ず摂ること。朝ならゆで卵、豆乳、納豆など簡単に食べられるものでいいです」
バランスのよい食事方法は77ページを参考に。
【3】昼間の過ごし方
<寝たきりになる人のNGな習慣>
ロボット掃除機、洗濯乾燥機、食洗機など家事はすべて便利家電に任せている。
「便利家電に頼りすぎるのも考えもの。ラクですが、体を動かす機会が減るので、筋力が落ちてしまいます」(上村さん・以下同)
<寝たきりにならない人のOKな習慣>
“ちょっと不便”が寝たきりを防ぐ。率先して体を動かそう。
「きちんとやれば、家事も立派な運動になります。ロボット掃除機を使った後で拭き掃除だけは自分の手で行うなど、できることは自分でやりましょう」
【4】夕方の過ごし方
<寝たきりになる人のNGな習慣>
腰やひざが痛くて、家でじっとしている。
「筋力を高めることで関節は保護されます。逆に、筋力が低下すると腰やひざの痛みが悪化し、長く歩くことができなくなり、さらに足腰が弱くなります」(角田さん・以下同)
<寝たきりにならない人のOKな習慣>
ストレッチや散歩などで体を動かす。
「関節痛の改善には筋力をつけるのが先決。そのためにも背筋や腹筋を鍛えましょう。次ページで紹介しているエクササイズがおすすめです」
【5】夜の過ごし方
<寝たきりになる人のNGな習慣>
寝具は体にフィットするような低反発の柔らかいマットレスを使用。
「どんなに広く宣伝されていても、自分に合うとは限りません。柔らかすぎて体が沈み込むような寝具は、寝返りが打ちにくくなります。寝返りの回数が減ると筋肉がこわばり、血行不良が起こるため体が硬くなり、腰痛などの痛みも出やすく、余計に体が動きにくくなります」(上村さん・以下同)
<寝たきりにならない人のOKな習慣>
寝返りを打ちやすいか、実際に試して選ぶ。
「できれば店舗に出向き、実際に寝てみること。寝返りを打ちやすいかどうかも見極めてから、購入を決めるのがいいでしょう」
そのほか、「スマホでニュースやSNSをチェックするよりも、その日の出来事を振り返って日記をつける方が寝たきりを防ぐことになる」と、角田さんは言う。
「日記は、その日の日付や曜日も確認できます。手と脳を同時に働かせるので脳が刺激され、認知症予防になります」(角田さん)
日記には、その日あった出来事のほか、食べたもの、血圧、体重なども記しておくと、自分の体の状態も把握でき健康管理にも役立つ。
取材・文/廉屋友美乃 イラスト/早瀬あやき 写真/PIXTA
※女性セブン2024年12月5日号
https://josei7.com
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