ペットや人物、風景写真をもっと上手に撮影するコツ|プロカメラマン直伝のスマホ撮影術5選【フリマアプリ用アイテムの撮り方つき】
多彩な機能を搭載し、一眼レフカメラ並みにきれいな写真が撮れるスマホカメラ。しかし、使いこなせていない、という人も……。 スマホカメラの設定や機能をマスターしたら、背景、アングル、バランス、置き方もひと工夫してみよう。撮影がもっとおもしろくなるはず!スマホ撮影がもっと上手になる簡単テクをプロカメラマンから教えてもらった。
教えてくれた人
吉住志穂さん/プロカメラマン、iPhoneフォトアドバイザー、花写真家。
日本写真家協会会員、日本自然科学写真協会会員。個展開催のほか、写真専門誌やウェブサイトでの執筆、撮影講座の講師としても活躍中。著書に『ほんのひと手間で劇的に変わる スマホ写真の撮り方』(技術評論社)。
人物、風景、ペット写真もひと手間で激変!シーン別映え写真を撮影する裏技テク5
※本企画では、「iPhone14」の画面とアイコンを使って解説しています。操作方法もiPhoneのカメラを例にしているため、すべてのスマホカメラと共通しているわけではありません。
【人物の撮り方編】「ポートレート」モードを使いこなす
背景をぼかして人物を際立たせる
人物写真を撮るときは、「ポートレート」モードを活用するといいという。
「このモードを使うと、ピントを合わせた主題以外の背景をぼかせます」 (プロカメラマンの吉住志穂さん、以下同)
撮影画面で「ポートレート」を選択し、メニューの「∧」をタップ。下部に「f(被写界深度)※」のアイコンが表示される。
「この数字を小さい値にするほどぼかす範囲は広く、大きい値にするほど遠くまでピントが合い、ぼかす範囲が狭くなります。『f』の目盛りを左右に動かして、いろいろと試してみて」
「ポートレート」モードは、主題となる対象に近づきすぎると機能しないので、ある程度離れて使うこと。
※「f」とは「f値」のことで、レンズから入る光の量を表す。「絞り値」とも呼ばれる。
<最大の絞り値にした場合>背景が判別できるくらいに写る
ぼかし具合を抑えたいときは絞り値「f」を最大に。ピントが合っていない背景でも判別はでき、ややぼかした感じとなる。
<最小の絞り値にした場合>主題の人物がより際立つ
絞り値「f」を最小にすると、ピントが合った部分以外を広く強くぼかせる。主題の人物がより際立ち、雰囲気のある一枚に。
【風景の撮り方編<1>】アングルを工夫する
立ったりしゃがんだり好みのアングルを探そう
アングル(カメラを構える角度)を変えるだけで、同じ風景がまったく違って切り取れるという。
「カメラを持ってしゃがむ、腕を伸ばすなどして、カメラの角度や高さをさまざまに変えて撮影してみましょう。構図のバリエーションを増やせます。背の低いものを撮るときは、見下ろすハイアングルより、低い位置から見上げるローアングルで撮るのがおすすめ」
<目線と同じ水平アングル>
目線の高さで撮影。この写真の場合、ひまわりの群生と背後の丘が重なり、主題がはっきりしないが、広さは伝わる。
<見下ろすハイアングル>
見下ろすように撮影。この写真の場合、ひまわりの群生を背景としつつも、主題のひまわりがより目立って見える。
<見上げるローアングル>
見上げるように撮影。この写真の場合、シンプルな青空が背景となり、主題のひまわりがより際立った印象に。
【風景の撮り方編<2>】人物と背景のバランスを意識する
建物は遠くに、人はカメラの近くに
城などの建造物と人物を一緒に写真に収めようとすると、人物が小さくなりがち。これは人物をカメラから遠くに配置するから。
「主題を遠くにある建物と人物の2つに設定する場合、人物にゆっくりカメラに近づいてもらいながら撮影を。画面を見ながら、バランスのいい配置を探りましょう。建造物と人物を画面の左右に分けると、うまくバランスが取れますよ」
スマホカメラの場合、縦写真の方が撮影しやすいが、建物と人物のバランス次第で横写真にも挑戦を。
<NG!な写真>
記念写真でやりがちな例。風景はきれいだが、人物が遠すぎてわかりにくい。
<惜しい!写真>
人物、風景ともにきちんと収まっているが、城の一部が隠れているのが残念。
<OK!な写真>
建物と人物が、重なることなくバランスよく配置されている好例。背景の建物の大きさや形で、縦写真か横写真かを使い分けよう。