「疲れたら甘いもの、疲れを取るのに栄養ドリンク」糖質中毒を招く危険な食習慣を医師が警告
夏バテもあり疲れやすいこの季節。実は食べ方を少し変えるだけで、「疲れない体」をつくることができる。もしかすると、疲れが取れないのは「糖質」の摂りすぎが原因かも? 元気が漲(みなぎ)る食事術をベストセラー医師が指南する。
教えてくれた人
牧田善二さん/AGE牧田クリニック院長。最新刊に『疲れない体をつくる最高の食事術』の著書がある。
慢性的な疲労の原因は日々の食事にある
病気でもないのに体がだるい。睡眠は取っているのに日中に眠気がひどい……そんな慢性的な疲労の原因は、食事にあるかもしれない。
「若い頃からの習慣で、昼時は丼ものを急いでかきこむ」
「疲れを取るためにエナジードリンクや栄養ドリンクをよく飲む」
「疲れたら甘い物を食べるのが癒やし」
これらの食習慣は「すべて疲労を蓄積させている」と指摘するのは、『疲れない体をつくる最高の食事術』(小社刊)の著書があるAGE牧田クリニック院長の牧田善二医師だ。
糖尿病などの生活習慣病やアンチエイジングを専門に20万人以上の患者を診てきた牧田医師は、疲労の原因は食事にあると断言する。
「糖質疲労」を招く食事とは?
「疲労の対策として良かれと思って摂っている食事が、実は『糖質疲労』を招く原因となっている可能性があります。年を重ねても若い頃のように疲れ知らずの日々を送るには、正しい食事術を身に付ける必要があります」(以下「」内は牧田医師)
牧田医師が警鐘を鳴らす「糖質疲労」を招く食事とはどんなものか。
「スイーツなど甘いものはもちろん、主食となる白米、パン、麺類などの炭水化物も糖質の塊です。人間は疲れが生じると糖質を欲し、実際に糖質を摂ると血糖値が上昇して快楽を得るホルモンが分泌されるため、“ああ、おいしい”と幸せな気分になります。
しかし、同時に血糖値を抑制するインスリンが分泌され、低血糖になってイライラする原因となる。そうして再び糖質を欲し、食べて幸福感を得た後、また疲労を招くという繰り返しで、血糖値が乱高下することによって『糖質中毒』の状態になってしまいます」
不健康の4拍子を引き起こす糖質中毒の恐怖
糖質中毒がもたらすのは疲労だけではない。
「摂り過ぎた糖質は消化吸収の末に中性脂肪に変えられて肥満のもとになり、様々な生活習慣病を招きます。
また糖質を分解してできたブドウ糖がたんぱく質と結合すると、AGEという悪性の老化促進物質が作られて、がんや心筋梗塞など大病のもととなる慢性炎症が引き起こされます」
こうした糖質中毒が、疲れる、太る、老いる、病むー「不健康の4拍子」を引き起こす。
「米飯を主食とする日本人の食生活は糖質が圧倒的に多いのが特徴です。しかも糖質の摂り方によって血糖値が乱高下して、“4拍子”のリスクがますます高くなります。これらを避けるには、糖質をコントロールする食生活が欠かせません」
※週刊ポスト2024年8月2日号
●健康のために摂るべき糖質とは?医師がすすめる最新”糖類”4選