キレる老人その理由|老化による「性格の先鋭化」」とは?対処法を解説
和田さんによると、脳には下図のように大きく4つの領域があり、それぞれ異なる機能を持っているという。
≪前頭葉≫
人間の思考、人格、理性、創造力、意欲、感情などを司る場所。脳の大部分を占め、ここが損傷・退化すると感情のコントロールができなくなっ たり、集中力が低下したりする。
≪頭頂葉≫
空間、触覚、視覚、感覚、色彩などを認識する部位。場所によって異なるが、中央部を損傷すると計算ができなくなることも。
≪後頭葉≫
視覚情報を処理する部分。ここを損傷すると、目は正常に機能していても、いつも見ている人の顔や物を認識することができなくなる。
≪側頭葉≫
言語の理解、記憶、聴覚、嗅覚、感情の制御にかかわる部分。損傷を受ける場所によって失語症や記憶障害などの障害が起こる。
「前述の『感情の老化度』テストで点数が多少悪くても、今から前頭葉を鍛えれば感情の老化は予防できます」(和田さん・以下同)
脳は使わなければ衰えるが、鍛えれば活性化し、緊急事態や新しいことへの対応も柔軟にできるようになる。
「本を読むと側頭葉が、『数字パズル』をやると頭頂葉がそれぞれ鍛えられますが、前頭葉は鍛えられません。脳の部位別に鍛え方があるので、それを意識して行うことが大切です」
前頭葉の衰えが始まると、同じ料理ばかり作ったり、いつも食べに行く店が決まってきたり、同じ作家の本しか読まないなど、マンネリ傾向が進む。これらに思い当たる人はすぐに前頭葉を鍛え直すことが必要だ。
「前頭葉を活用するには、同じことを繰り返すのではなく、ふだんと違うことをするのがいちばんの刺激になり、鍛えることにもつながります。初めての料理にチャレンジしたり、知らない土地を旅したりするのもおすすめです」
まずは下の前頭葉を鍛える主な5つのポイントを生活に取り入れてみよう。