【意外と読めない漢字】で脳トレ!日本推しラトビア人・アルトゥルさんが出題
2023年に日本を訪れた外国人旅行者は2500万人を突破した。日本の伝統や文化にハマり、日本語を学ぶ外国人も増えている。ラトビア出身のアルトゥルさんもその1人だ。「日本人よりもこの国を愛し、漢字を日々勉強中」という異国の若者が、読めそうで読めない「漢字」をあなたに問います。
教えてくれた人
アルトゥル・ガラタさん(29才)/ラトビア出身。現在はジョージア在住。フリーランスのプログラマー
SNSを通して日本の文化や食べ物などの魅力を日々発信している大の日本好きで、インフルエンサーとしても活動中。著書に『アルトゥルと行く! 不思議の国・ジャパン』(KADOKAWA)がある。
来日7回目で40都道府県制覇! Xのフォロワー43万人超え・アルトゥルさんの素顔
「あと数日でジョージアに帰国する」というアルトゥルさんと待ち合わせたのは東京・池袋。レトロな喫茶店のドアを開けると、SNSでおなじみの鮮やかなブルーの髪が目に飛び込んできた。
「以前、お祭りのときに青くしてみたら意外と似合うなって思って、数年前からずっとこの色です」(アルトゥルさん・以下同)
22才のとき、母国ラトビアで知り合い、友達になった日本人の帰国に合わせて初来日した。
「来日前から日本についてかなり調べてました。だけど、おもてなしや便利さなど、何もかもが想像以上でした。電車の時間は正確だし、道路はきちんと舗装されてるし、飲食店の接客も、何もかもがきちんとしていて驚きました!」
今回の来日が7回目ながら、すでに40都道府県を訪問済み。未訪問はわずか7県というから驚きだ。
「どの県も特徴や見どころがあって本当によかったです。特に印象に残っているのは福岡県。ラーメンや魚介類もおいしいし、自然もたくさんあって気に入ってます。来年中には残りの県に全部行きたいです」
日本にハマったきっかけは、小学生の頃にテレビで見た日本のアニメ。
「ラトビア人にはロシア語を話せる人が多いので、海外作品はロシア語や英語に吹き替えられているものが多いんです。でも、当時見た『セーラームーン』や『ポケモン』は、母国語のラトビア語に吹き替えられていたので、子供のぼくにもよくわかって、ワクワクしながら見ていました」
さらに「日本人」に興味を持ったのは、両親がくれた日本の文化などを紹介する一冊の本だという。
「中学生の頃にその本を読み、いちばん感動したのが『日本人は自分より他人を思いやる』という人間性でした。自分の国とは違う考え方だと思い、日本人と話してみたいと思ったんです」
以上の会話は通訳なしで、すべて日本語で話している。アルトゥルさんは想像以上に流暢な日本語を話す。
「いま住んでいるのはヨーロッパの最東端にある国・ジョージアです。日本人オーナーの営むシェアハウスで暮らしているのですが、その家には日本人もたくさん住んでいて、いまでは日本人の友人が50人以上います。彼らと話している結果、日本語がしゃべれるようになったと思います。でも、書く方はまだ心配……」
日本人とメールでやりとりするときは日本語で書く。
「書き方やニュアンスを確認するので、時間がかかります」
取材中も記者の言葉でわからないことがあると、そのたびに質問したりスマホで調べ、メモに書き込んでいた。この地道な努力こそ語学習得の鍵なのかも。
「最近は、特に日本語の小説を読んで漢字を勉強しています。いま読んでいるのは『最後の証人』(柚月裕子著)という推理小説。初めて見る漢字が出てきたらその都度調べて、少しずつ覚えるようにしています。本の内容や仕事の忙しさによりますが、1冊読むのにだいたい1か月半くらい。でも村上春樹さんの『ノルウェイの森』は、上巻だけで半年くらいかかりました! 内容を読み解くのが難しくて(笑い)」
遊びと勉強半々で始めた「X」のフォロワーはいまや43万人超。これほど多くの人に興味を持ってもらえるとは、日本語の勉強を始めたときには考えられなかったと話す。
「わからないことや難しい漢字についてXで呟(つぶや)くと、たくさんの人がコメントを書き込んでくれます。それは私にとって、とても勉強になっています」
取材後に予定を聞くと、「これから友人と一緒に牛久(うしく)大仏を見に行きます!」とニッコリ。
細い体に大きな荷物をいくつも抱え、アルトゥルさんは楽しそうに41県目となる茨城へ旅立っていった。
アルトゥルさんの出身【ラトビア共和国】ってどんな国?
バルト海の東岸に並ぶ「バルト三国」の真ん中に位置する国。1991年にロシアから独立。人口は約189万人で公用語はラトビア語。首都・リガの街並みが世界遺産に登録されるなど、美しい歴史的建造物が有名。
アルトゥルさんが住んでいる【ジョージア】ってどんな国?
ヨーロッパの東の端に位置する、もっともアジアに近いヨーロッパの国。以前は「グルジア」と呼ばれていたがロシアと国交断絶し、2015年に日本でも英語読みの「ジョージア」に変更された。ワイン発祥の地としても有名。