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高齢者のベッド生活を安心に! 衝撃を緩和する<畳>が新登場「転倒による怪我のリスク軽減へ」

 身体機能が低下し注意力が散漫になる高齢者にとって、住み慣れた家の中でも転んで怪我をしたりする危険性がある。年を重ねても安全で快適な生活を送りたい――。そんな時に役立つ新商品、ベッドの脇に置いて使う”安全な畳”が発売されたので詳しくご紹介する。

高齢者の転倒は要介護につながる危険もある

 家の中で置いてあるものにつまずいたり、段差を見誤って踏み外した経験はないだろうか。高齢になると下半身の筋力や視力が低下するため、家の中に不便な部分が増え普段の生活に不安を感じる人もいるだろう。

 厚生労働省の「国民生活基礎調査の概況(2022年)」によると介護が必要になった主な原因の1位が認知症、2位が脳血管疾患(脳卒中)、3位が骨折・転倒と事故の中で転倒が一番大きい原因となっている。東京消防庁が公表している「救急搬送データから見る日常生活事故の実態(2021年)」では、全体の約6割の人が「ころぶ」ことによって発生した事故によって救急搬送されており、「ころぶ」事故は住宅で一番多く発生しているという。

 高齢者にとって危険が潜む家の中。万が一転んだとしても怪我になりにくい驚きの畳『MIGUSA CARE(ミグサ ケア)』がこの度発売されたという。

クッション性と歩行時の硬さを兼ね備えた高機能な畳

 積水成型工業は樹脂製畳『MIGUSA』を1991年から製造・販売している。樹脂加工技術により天然イ草と類似の構造を再現している。これにより、天然イ草の風合いや肌触りをそのままに、高い耐久性と安全性に加えて、豊富なカラーバリエーションを持つのが魅力だ。1本1本を織機で織る伝統的な製法と伝統的な織柄にこだわった『MIGUSA』の技術を生かし、屋内での「骨折・転倒」リスクを軽減する高衝撃緩和型薄畳の『MIGUSA CARE』を開発した。

『MIGUSA CAREは830mm×830mm、厚みが23mmの半畳ほどのサイズで、従来の畳より薄い。表面はポリプロピレン樹脂を主原料とし、イ草状の成形品を織って仕上げることでイ草畳と同様の心地よい質感を再現している。さらに、抗菌剤を練りこむことで高い抗菌性能も併せ持つ。芯材部分はMDF(中密度木質繊維圧縮板)により剛性を確保し、その下に衝撃を緩和する特殊な不織布を使用することで薄型ながら高い衝撃緩和性能を実現している。

「JIS A 5917(衝撃緩和型畳床)」の規格に準拠しており、座敷などで使用される従来の本畳や一般的なクッションフロアと比べてもMIGUSA CAREは非常に高い性能を有していることが証明されている。 

 床の硬さの性能基準は、G値(転倒衝突時の衝撃加速度)で表される。高齢者施設や体育館の床が100G以下、転倒衝突を前提とする柔道場の床は65G以下の中、MIGUSA CAREは42Gと高い性能を示している。

 また、家の中にある床と比較してみると、駐車場や玄関のアプローチで使用されるコンクリート床の1/4、リビングや寝室で使用される木製フローリング床の1/3という低い衝撃値だということが判明した。

 日常的な動作時の硬さに関しても、JIS規格で推奨されている0.8以上1.3以下の範囲にとどまった。柔らかすぎて畳がたわんで変形したり、歩きづらさを感じることのない畳であることが実験を通して実証されているのだ。

 家の中を車いすで移動したり、約2cmほどの段差が気になる人に向けて専用のスロープ材『NO-DAN(ノーダン)』も販売中だ。2024年1月には家具の製造・販売メーカー「ウィドゥ・スタイル」と協業し、ベッドとともにMIGUSA CAREの販売も開始した。今後は、家具販売を通じた提供にとどまらず、ハウスメーカーとも連携して販売、普及を目指していくという。

衝撃緩和型畳床の改修は介護保険適用で最大9割の給付

 転倒によるケガを未然に防ぐことが可能な衝撃緩和型畳床は、2017年7月より介護保険による住宅改修費の支給対象として認められた。

 要支援、要介護と認定された人が家族にいる場合、住宅改修を行う際に20万円を上限として改修費の最大9割の給付を受けることができる。フローリングだけでなく畳を衝撃緩和型畳床に変更する場合も対象だが、介護の度合いや家の中の状況によって負担割合や適用条件が変動する。

 まずは、ケアマネージャーや地域包括支援センターに相談してみると良いだろう。

【データ】

高衝撃緩和型薄畳『MIGUSA CARE(ミグサ ケア)』https://www.sekisuimigusa.jp/migusa-care.html

積水成型工業の100%親会社である積水化学工業の発表したプレスリリース(2024年2月15日)を元に記事を作成。

写真・図表/積水化学工業提供 構成・文/松藤浩一

●年間3万人の高齢者が自宅で転倒!家に潜む危険なポイント11と対策

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