兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第240回 ついに食卓の上へお尿さまが!】
若年性認知症の兄のところ構わず排泄してしまうという行動はどんどんエスカレートしています。思い起こせば、洗面所のコップの中にお尿さまをしてしまうことが始まりでした。今では、家の中、どこでも(むしろトイレではないところで)いたしてしまう兄になすすべもなく、日々掃除に追われる妹のツガエマナミコさんは、「こんな話ばかりで…」とおっしゃいますが、どうかせめてこの場でストレスを吐き出してくださいと編集部からはお声をかけたいと思います。今回はついに、食卓にも、というお話です。

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排泄の愚痴ばかりで読むのがしんどいでしょうが…
ある作家のエッセイを読んでいましたら「長編小説でも20~30時間で書ける」と書いてあって、能力の高さに愕然と致しました。比較するのもバカバカしいですが、一枚の原稿に1日かかってしまうわたくしとは雲泥の差。それはそれで遅すぎますが、息をするようにペン(今どきはパソコン)を走らせることができる人もいらっしゃるのだなぁと、生物の多様性に思いを馳せたツガエでございます。
キッチンに入りこんでくる兄がうっとうしく、「今ご飯作っているからもう少し待っていて」「包丁使ってるから危ないから」「何でここへ入ってくるの?」「座ってテレビ観ててよ」とあれこれ言っておりましたら、冷蔵庫の角を曲がった、ちょうどわたくしの死角になった辺りでお尿さまを放出する音が聞こえました。「え?」と思って見ると、兄が御用を足し終わり、涼しい顔で股間のものをフリフリしているところでございました。