介護が始まる前に知っておきたい【要介護認定の申請方法】サービス開始までの流れを解説
年齢を重ねるにつれて筋力は衰え、病気もしやすくなる。体の具合が悪くなったからといって、すぐに介護保険サービス(以下、介護サービス)は受けられないので注意が必要だ。ひとたび介護が必要になれば、要介護者の相談やサービスの調整役である「ケアマネジャー」との付き合い方も大切になってくる。要介護認定の申請からサービス開始までの流れと注意しておきたいポイントを介護の専門家に聞いた。
教えてくれた人
浅井郁子さん/介護・福祉系ライター、高齢者の介護と暮らしアドバイザー。実父の介護をきっかけに、新聞や雑誌、ウェブに介護・福祉関連の記事を執筆している。著書に『突然の介護で困らない! 親の介護がすべてわかる本』(ソーテック社)がある。
要介護認定の基本
「介護認定申請日の7~10日後に調査員が自宅を訪れ、一次判定のために決まった質問事項や本人の様子、住宅状況などを確認します。
このとき、病歴や心身状態などを具体的に伝える必要があるので、家族は事前にその準備をしましょう。申請には主治医の意見書も必要になります。主治医には申請する旨を前もって伝えてください」(介護・福祉系ライターの浅井郁子さん・以下同)
どうやって申請するの?
浅井さん:本人が住む市区町村の役所に介護保険申請書を提出します。
記者N:本人が提出しに行かないとダメですか?
浅井さん:家族やケアマネジャー、包括などの代行も可能です。初めて申請するなら、
包括にお願いするのが安心ですよ。
要介護認定が出るまでの流れ
【1】 市区町村の役所へ申請する
<申請時に必要なもの>
●介護保険申請書(要介護認定・要支援認定)
●介護保険証(第2号被保険者は、医療保険証の写し)
※代行の場合、代行者によって以下のものが必要になる場合があります。
●身分証明書 ・マイナンバーを確認できるもの・主治医の氏名などを確認できるもの(診察券など)
※第2号被保険者は、40~64才で医療保険に加入している人。
【2】一次判定
●主治医の意見書
●介護認定調査
これらをコンピューターにかけて、一次判定の結果が出る。
【3】二次判定
一次判定の質問事項に当てはまらなかった特記事項と主治医の意見書を、人の目で確認して審議する。
その後、介護の手間にかかる程度が判断される。
【4】申請してからおよそ1か月後に結果が郵送で届く
「本人宛てに、1か月くらいで届きますが、最近は申請数が多くなっていることもあり、遅れる地域もあるようです。介護認定には有効期限があります。更新の際は、有効期限が過ぎないよう更新通知が届き次第、速やかに申請しましょう」(浅井さん)
【判定に納得がいかない場合は…】
区分変更の申請が可能。この場合、「地域包括(ほうかつ)支援センター(以下、包括)」に相談しよう。
介護サービス利用までの主な流れ
介護認定が出て、介護区分が決まったら…