兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第239回 なんと今度は引き出しの中にお尿さまが!】
若年性認知症の兄と暮らすライターのツガエマナミコさんが綴る2人の日常は、連載の回を追うごとにもはや日常というワードはあてはまらいないような状況になってきています。家の中で発生する度重なる兄のトラブル行動にまったく気が休まるときがないマナミコさんですが、その胸中をお察しするに余りあります。

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「四六時中、兄のことを考えてしまいます」
兄が要介護3の認定を受けて1年が経ちました。まだたった1年なのか…というのが正直な感想でございます。年々時が経つのが速くなり、お正月はあっという間にやってくるのに、要介護3の介護生活はなぜか1年が5年にも6年にも感じます。
さて、兄は今回、食器棚の引き出しめがけてお尿さまをされまして、あろうことか引き出しが閉まり切っていなかったようで隙間から中に入りこんでおりました。小皿にはお尿さまが溜まり、伏せたお碗がわずかにお尿さまに浸ってしまって心がシナシナになっていくのを感じました。
2段分の引き出しの中身を全部出して拭き清めたわけですけれども、ここまでアチコチでやられると、さすがに諦めムードと申しましょうか、潔癖の感覚も麻痺してまいります。「どんなにキレイにしてもどうせまたすぐやられるんだから」と消毒殺菌がどんどん雑でいい加減になってしま