「一汁一菜で栄養は十分」86才の料理家・若杉ばあちゃんの心と体を元気にする粗食レシピ「米のとぎ汁を使ったスープ、ふっくら大根ステーキ」
「食は命、命は食にあり」という考えに基づいた「食養」を提唱する若杉ばあちゃんこと、86才の料理研究家・若杉友子さん。栄養過多になりがちな現代人に粗食をすすめる。若杉さんは「現代人は栄養のとりすぎで病気になっているの。穀物と旬の野菜を中心にした一汁一菜は粗食だけれど、理想の献立。日本人の正しい食事スタイルで体も心も元気になりますよ」という。体の内側からキレイになりませんか。
※材料は特記以外、すべて2人分です。
教えてくれた人
料理研究家 若杉友子さん(86)
1937年大分県生まれ。陰陽の考え方に基づいた野草料理と、日本の気候風土に根ざした知恵を伝え続ける。著書に『若杉ばあちゃんの伝えたい食養料理』など多数。
かき入りとぎ汁スープ
丁寧な下ごしらえでくさみのない澄んだ味わいに
<材料>(4人分)
にんじん・大根…各1/3本
こんにゃく…2/3丁
生がき…5個
豆腐…1丁
春菊…1株
米のとぎ汁…1と1/2カップ
しょうゆ…大さじ3と1/2
塩…小さじ1/2
<作り方>
【1】にんじんと大根は皮をむかず目の粗い布巾などを使ってやさしく洗い、1cmのさいの目に切る。大根は米のとぎ汁(分量外)で5~6分下ゆでし、ざるにあげておく。
【2】こんにゃくは洗ってからたっぷりの塩(分量外)をまぶして10分おき、塩を洗い落として、ひとつまみの塩(分量外)を加えた熱湯で10~15分ゆでる。粗熱がとれたら、1cmのさいの目に切る。かきは塩(分量外)で軽くもみ洗いし、水気を切って粗く刻む。豆腐はさいの目に切る。春菊は1cm幅に切る。
【3】鍋(あれば土鍋)に米のとぎ汁を入れて煮立て、にんじん、大根、こんにゃく、かきを入れて中火で煮る。
【4】別の鍋かフライパンにしょうゆを入れて中火にかけ、ぶくぶくとわかす。
【5】【3】の野菜に火が通ったら、豆腐と春菊を順に入れ、【4】を加え、塩をふって仕上げる。
<ポイント>
かきは血液をつくり、体を温める。
大根ステーキ
ふっくらジューシーでシンプルイズベストな逸品
<材料>(4人分)
大根…厚さ1cmの輪切り4枚
ごま油・みりん…各大さじ1
酒…大さじ1弱
しょうゆ…大さじ1/2
薄口しょうゆ…小さじ1/2
しょうが…適量
<作り方>
【1】大根は片面に十文字の切り込みを入れる。
【2】蒸気の上がった蒸し器に【1】を入れ、箸を刺してスッと通るくらいまで蒸す(もしくは米のとぎ汁で下ゆでする)。
【3】厚手のフライパンを熱してごま油をひき、【2】の大根の切り込みを入れた方を下にして入れ、中弱火で焼く。
【4】両面がこんがりと焼けたら酒を入れて煮立たせて、アルコールを飛ばす。次にみりんを入れて同様に煮立たせてアルコールを飛ばす。甘い香りになったら、大根1枚1枚の切り込みを入れた面にしょうゆと薄口しょうゆを合わせたものを少量ずつ落としていき、さらに焼く。
【5】片面に調味料がしみ込んだら裏返し、汁気がなくなるまで弱火で焼く。器に盛り、好みですりおろしたしょうがをのせる。
<ポイント>
大根は魚のたんぱく質や脂肪、ご飯、油の消火剤です。
土鍋炊き玄米ご飯
ふっくらモチモチの玄米は一物全体(いちぶつぜんたい)の栄養たっぷり
<材料>(作りやすい分量)
玄米…3合
塩…小さじ1/2
水…810~972ml(玄米の1.5~1.8倍で好みに合わせる)
<作り方>
【1】玄米を土鍋に入れて水(分量外)を張る。玄米をなでるように右回転ですくい上げながら洗う。数回繰り返したら、玄米がこぼれないように水を流す。
【2】【1】に水を入れ、米の表面に手のひらをあて、水位が手首のくるぶしの上になるよう調整し、6~10時間つけておく。無農薬の玄米でない場合、竹炭を入れるとよい。
【3】【2】に塩を入れ、土鍋にふたをして中火で10~15分ほど炊く。沸騰し始めたら弱火にし、20~25分炊く。
【4】ふたをとって見て、表面の水がひいて穴ができていたらとろ火にして30~40分炊く。
【5】火を止めてそのまま10分蒸らす。
<ポイント>
土鍋で炊くと甘みが出て噛めば噛むほどおいしい。
焼きおにぎり
しょうゆのお焦げが香ばしく体温を上げる
<材料>(1個分)
玄米ご飯…茶碗に8分目
しょうゆ…適量
<作り方>
【1】炭をおこして七輪に入れ、焼き網をのせて温める。七輪がない場合、ガスコンロで焼き網を温めるか、オーブントースターを温めておく。
【2】玄米ご飯をしっかり小さめににぎる。冷めている場合は温めてからにぎる。
【3】熱くなった焼き網の上に【2】をのせ、片面を焦げ目がつくくらいよく焼いて裏返す。側面も焼く。
【4】こんがり焼けたら、茶碗にたっぷりと入れたしょうゆの中にドボンとつけ、手早く引き上げて余分なしょうゆを切ったらまた焼き網にのせ、手早く両面を軽く焼く。
撮影/玉井幹郎 調理・スタイリング/植田有香子 調理監修/若杉典加
※女性セブン2024年2月8日号
https://josei7.com/
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